KakaoPayは9月15日、AIエージェントがステーブルコインで商品やデータを購入し、販売者への精算まで担う「エージェンティック決済」技術の概念実証(PoC)を完了したと発表した。購入者向けの決済機能にとどまらず、販売者のデータやAPIの収益化につながる決済インフラの構築を進める。
同社によると、今回完了したPoCは、購入側と販売側の双方を対象にしたもの。エージェンティック決済は、利用者がAIエージェントに購入権限や決済上限などの条件を設定すると、エージェントがその範囲内で必要な商品やサービス、データを選び、支払いを実行する仕組みだ。
実証では、AIエージェントとKakaoPayのデジタル資産ウォレット、決済インフラを連携し、ステーブルコインで決済できる環境を構築した。ウォレット連携から決済・精算、残高や利用上限、ポリシー管理、AIエージェントとの通信まで、決済プロセス全体を検証したという。
利用者はKakaoPayアプリ上で、AIエージェントの決済履歴や利用上限、利用先を確認できるようにした。
販売者向けの機能も整備した。APIやデータなどのWebリソースを持つ事業者が、外部のAIエージェントからの要求に応じて情報を販売し、代金をステーブルコインで精算できるようにした。
事業者向けウォレットとビジネスアカウントも連携する。専用ダッシュボードで売上内訳などを確認できるほか、ウォレット、決済処理、ブロックチェーン基盤上の精算までを一体で提供する。
KakaoPayは、今回の技術実証を踏まえ、国内のデジタル資産規制の動向を踏まえた利用者保護措置を強化し、エージェンティック決済の商用化と外部提供を進める方針だ。
Kakaoグループはこれに先立ち、ステーブルコインなどのデジタル資産を保管できるウォレット技術を、KakaoPayの決済環境で検証してきた。KakaoBankでも、銀行システムを基盤に関連技術の検証を進めている。
KakaoPayの関係者は、「AIエージェント間取引で、購入者と販売者の双方をつなぐ『双方向エージェンティックコマース』の技術基盤を整えた」とした上で、「ステーブルコインなどのデジタル資産を活用した新たな取引市場を支えられるよう、関連インフラを構築していく」と述べた。