Hyperliquidの独自トークン「HYPE」が、大規模なバイバックを追い風に過去最高値を更新した。一方で、市場ではBinanceとの競争激化が、HYPEの価格を支えてきた収益基盤に逆風となる可能性も指摘されている。
Cointelegraphが14日(現地時間)に報じたところによると、CoinMarketCapのリサーチ責任者アリス・リュー氏は、HYPEが足元で86ドル(約1万2900円)まで上昇した背景の一つとして、継続的なバイバックを挙げた。Hyperliquidは取引手数料を原資に、市場でHYPEを自動的に買い付ける仕組みを導入している。これまでのバイバック額は4億ドル(約600億円)を超えるとされ、直近30日間のHYPE価格は47.5%上昇した。
もっとも、リュー氏は取引の増加がそのままトークン価格の上昇に直結するわけではないとみている。HYPE相場を支えてきたバイバックを維持するには、十分な取引高と手数料収入を継続的に確保する必要があるためだ。
焦点の一つとして浮上しているのが、現実資産(RWA)を基盤とする無期限先物市場だ。リュー氏は、この2カ月ほどでトークン化株式やETF、指数を原資産とする無期限先物の取引高と流動性が、急速にBinanceへ移ったと分析した。関連市場の約半分をBinanceが占めているとの推計も示している。一方で、DEX市場全体ではHyperliquidがなお首位を維持しているとの見方も示した。
Binanceが開示するデータでも、伝統金融関連の無期限先物市場で存在感を強めていることがうかがえる。7月のETF連動型無期限先物ではBinanceのシェアが74%に達し、8月には伝統金融連動の無期限先物全体でも約59%を占めた。ただし、これらの数値はリュー氏が言及したRWA無期限先物とは集計対象が異なり、単純比較はできない。
Hyperliquidの公式文書によると、取引手数料の一部はアシスタンス・ファンドを通じて自動的にHYPEの買い付けに充てられ、当該トークンは焼却される仕組みという。今後、Binanceが関連分野の取引をさらに取り込めば、Hyperliquidの手数料収入とバイバック余力をどこまで維持できるかが、HYPE相場を左右する重要な材料となりそうだ。