Cantinaは30日、脆弱性発見後のセキュリティ対応を自動化するプラットフォームを手掛ける企業として、800万ドル(約12億円)を調達した。米SiliconANGLEが報じた。資金調達はFramework Venturesが主導した。
Cantinaは、著名なソフトウェア脆弱性の発見や攻撃防御に携わってきたセキュリティ研究者とエンジニアが設立したスタートアップだ。顧客環境全体にAIエージェントを配置し、脆弱性発見後の調査、優先順位付け、修正、検証までを自動化するプラットフォームを提供している。
同社は脆弱性の検知そのものではなく、発見後の対応プロセスに照準を合わせる。Verizonの「2026年データ侵害調査報告書」によると、前年の侵害では主要な侵入経路として脆弱性の悪用が盗難認証情報を上回り、最多となった。
実際に悪用が確認された重大な脆弱性のうち、完全に修正された割合は26%で、前年の38%から低下したという。
Cantinaは、脆弱性の発見以上に、その後の手作業の対応が大きな負担になっているとみている。影響を受けるシステムの担当者の特定、実際のリスクの有無の判断、修正を担うチームの割り当て、修正が正しく反映されたかの確認まで、多くの工程が人手に依存していると説明する。
プラットフォームの中核となるのは、顧客環境を継続的に更新する「セキュリティ・メモリ層」だ。ID情報、サーバ、コードリポジトリ、クラウド権限、顧客データを含む各種データベースを取り込み、それらの関係をマッピングする。
さらに、システム担当者、依存関係、直近の変更、過去の調査結果を踏まえ、どの脆弱性対応を優先するかを判断するという。
共同創業者兼CEOのハリ・ムラカル氏は「AIが攻撃のスピードを大きく引き上げた」と述べ、「攻撃者は防御側が対応する前に脆弱性を見つけ、実際に機能するエクスプロイトもこれまで以上に速く作成できるようになった。既存のセキュリティチームの業務フローは、こうした変化が起きる前に設計されたものだ」と語った。