Bitcoinの短期保有者(STH)の実現時価総額が、2025年10月の高値から約62%縮小した。過去の弱気相場でみられた70〜75%減の水準に近づいており、市場では短期筋の持ち高整理が進んでいる可能性を示す指標として注目されている。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが7月30日(現地時間)に報じたところによると、オンチェーン分析家のダークポストは、CryptoQuantなどのデータを基にこうした見方を示した。
実現時価総額は、各コインが最後に移動した時点の価格を基準に算出する指標で、現在の保有分がどの価格帯で形成されたかを反映する。短期保有者の実現時価総額が低下する局面では、取得単価の切り下がりに加え、高値圏で積み上がった持ち高の整理が進んでいることが示唆される。
ダークポストは、CryptoQuantとアナリストのアクセル・アドラー・ジュニアのデータを引用し、短期保有者による損失確定が積み上がり、その規模も無視できない水準に達していると指摘した。今回の減少は、単なる価格下落ではなく、保有構造の変化を映しているとみられる。
同氏は、実現時価総額を押し下げる要因として2点を挙げた。1つは、高値で取得されたUTXO(未使用トランザクション出力)が、極端な恐怖に伴う売りによって市場から一掃されること。もう1つは、下落相場が続くなかで、より低い価格帯で新たな買いが入り、新規のUTXOが形成されることだ。
高値で買われたコインが整理され、安値圏で取得されたコインに置き換わると、STHの実現時価総額は構造的に縮小する。この過程が、指標低下の背景にあるという。
市場ではこの数値について、短期の買い需要の強さや、調整局面の深さを測る手掛かりと受け止められている。過去の弱気相場では、短期保有者の実現時価総額が70〜75%減まで低下した例があり、今回の62%減はそこまでには達していないものの、歴史的な弱気局面の水準に近づいていることを示している。
一方、先行きについては慎重な見方も崩れていない。ダークポストは、現在の調整がさらに続くのか、それとももう一段の下落局面が訪れるのかは、なお見極めが必要だとした。短期保有者の損失はすでに相応の規模に積み上がっているが、それだけで調整終了と断定するのは難しいとしている。
こうしたなか、市場参加者の関心は価格そのものだけでなく、保有コスト構造がどのように再編されるかにも向かっている。高値圏の持ち高がどこまで整理されるのか、安値圏で再形成された保有分が新たな基準線となるのかが、今後の方向性を見極める重要な手掛かりとなりそうだ。