カルダノ(ADA)創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は30日(現地時間)、カルダノのオンチェーンガバナンスにおける重要案件の調整役となる「政治組織」の設立構想を示し、コミュニティの支持を呼びかけた。開発や実利用の拡大が停滞する現状を立て直す狙いがあり、最終的な判断はADA保有者と利害関係者に委ねるとしている。
ブロックチェーンメディアThe Crypto Basicが報じた。ホスキンソン氏は、分散型ガバナンスの仕組みを見直し、カルダノの成長を再び軌道に乗せる必要があると主張している。
提案の柱は、オンチェーンガバナンスの枠組みの中で重要案件を取りまとめる政治組織を設けることだ。同氏は最近、カルダノ内部でシニシズムや悲観論が強まり、長期戦略の実行が難しくなっているとの認識を示していた。
そのうえで、コミュニティから十分な支持と権限が与えられれば、エコシステムの前進を妨げてきた停滞要因の解消を図れると述べた。
また同氏は、自身がプロジェクトから離れる可能性を否定した。カルダノは人生の大半を注いできたプロジェクトであり、離れる考えはないと説明している。
現在のガバナンスを巡る混乱についても、撤退の理由ではなく乗り越えるべき課題だと位置付けた。次の開発段階に向けても、引き続き役割を担う考えを示した。
背景には、ここ数カ月にわたって続いてきたガバナンスを巡る対立がある。ホスキンソン氏に関連する複数の財務プロジェクトが否決され、これが「Cardano Summit 2026」のイベント中止にも影響したとされる。
同氏は当初、代表委任者(DRep)としての役割を検討していたが、その後、より広い政治組織の構想へと発展させた。
さらに、今回のガバナンス再編は単なる内部の権限調整にとどまるべきではないと強調した。カルダノは、エコシステムの成長と実利用の拡大に再び軸足を移すべきだとしている。
より強いリーダーシップは、マーケティングの改善やユーザー獲得の加速、明確な成長戦略の策定に資するとの見方も示した。内部の政治的対立を整理してこそ、開発者や企業、新規ユーザーの獲得に注力できるというのが同氏の主張だ。
一方で、最終的な意思決定権はADA保有者と利害関係者にあると明確にした。コミュニティが望むのであれば、自らがより強い執行リーダーシップを担う用意があるとしつつ、別の指導者を選ぶことも利害関係者の自由だと認めた。
誰が前面に立つにせよ、カルダノが成功するには、一貫した長期戦略のもとで結束する必要があると強調した。
政治組織が発足した場合、カルダノのオンチェーンガバナンスにおいて主要な代表委任者としての役割を担う可能性がある。エコシステムの開発方針や財務配分、長期戦略に関する意思決定を調整し、ADA保有者が参加と投票を通じてガバナンスに関与するための枠組みとなることを目指す。
ホスキンソン氏は今月初め、この構想が完成段階に近づいていることを明らかにしたが、具体的な発足時期は明らかにしていない。
今回の提案は、カルダノが分散型ガバナンスを維持しながら実行力を高められるかを占う試金石となりそうだ。ホスキンソン氏はカルダノの将来に対する確信は揺らいでいないとし、エコシステムの課題解決に向けて引き続き力を尽くす考えを示した。