米主要都市の警察幹部で構成する団体が、暗号資産市場の規制法案「クラリティ法案」への支持を表明した。金融犯罪対策を盛り込んだ改定案を評価したもので、8月の議会休会を前に法案審議を進めたい共和党を後押しする材料となっている。
Bitcoin Magazineが7月30日(現地時間)に報じたところによると、米主要都市警察長協会(MCCA)は、最近の法案修正で金融犯罪対応に関する条項が強化されたことを受け、支持に回った。
MCCAは米主要都市の警察長で構成される非営利団体。書簡では「最近の立法上の変更を受け、協会として支持する」としたうえで、新たに加えられた法執行関連の条項を前向きに評価した。最新版の改定案については、「デジタル資産に関連する金融犯罪を捜査する法執行機関の能力向上に向けた有意義な前進だ」と説明している。
クラリティ法案は、米国の暗号資産市場に関する規制枠組みの整備を柱とする法案だ。共和党は今週中の超党派支持の取り付けを目指しており、議会が8月の休会に入る前に審議を前進させたい考えだ。
法執行機関側の支持表明は今回が初めてではない。先週には全米警察友愛会も法案支持を打ち出した。今週は民主党の上院議員キャサリン・コルテス・マストが、2つの法執行団体とともに修正案を提出し、団体側はこれを「好意的に評価した」としている。最近の法案修正を受け、法執行機関の支持が広がりつつある構図だ。
もっとも、成立の見通しはなお不透明だ。主要金融機関や一部議員、企業は最新の草案を支持しているが、民主党の一部には現行案では不十分だとする反発が残る。実際、民主党議員らは先週の声明で、現在の法案の内容では十分ではないと指摘した。
クラリティ法案は昨年、強い超党派支持を受けて下院を通過したが、2026年に入ってからは停滞が続いている。銀行業界はロビー活動を通じてステーブルコインの利回りを問題視し、一部議員は倫理規定の補強が必要だと主張してきた。
こうしたなか、先週公表された改定案には一部の論点が反映された。政府高官とその家族が暗号資産を発行・宣伝することを禁じる条項が新たに盛り込まれた。これは、ドナルド・トランプ米大統領の暗号資産事業を巡る利害関係への批判とも重なる。民主党と一部共和党は、トランプ一族がミームコインや分散型金融プロトコル「World Liberty Financial」を通じて収益を得たことを挙げ、利益相反の可能性を指摘してきた。
今回の法案審議では、市場育成と規制強化のバランスが焦点になりつつある。法執行団体の公開支持は金融犯罪対応への懸念を一定程度和らげる材料となったが、民主党の一部が求める追加修正がどこまで反映されるかが、今後の審議の行方を左右しそうだ。