ビットコイン(写真=Shutterstock)

ビットコインは2026年上期に32%下落し、これまで相場上昇を支えてきた主要な買い手にも売りが広がった。Binance Researchは上期レポートで、米金融政策見通しの変化と需給悪化が重なり、相場の弱さが続いたと分析した。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが30日(現地時間)に報じた。

ビットコインは2025年10月に付けた過去最高値(ATH)の12万6080ドル(約1881万円)から50%超下落した。下落は3四半期連続のマイナスとも重なった。

レポートは、世界市場全体で価格の再評価が進む、いわゆる「リ・アンカーリング」の過程で、ビットコインが主要資産クラスの中でも大きな打撃を受けたと指摘した。一方で、市場の基礎的な構造は前回サイクルより強固だとの見方も示した。

上期の下落要因として大きかったのは、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しの変化だ。市場は2024年8月時点では大幅な利下げを織り込んでいたが、2026年半ばには、実際の政策金利を上回る水準の政策パスを織り込むまでに見方が変化したという。

12月の利上げ観測も約80%の確率で織り込まれた。新FRB議長のケビン・ウォーシュが初の記者会見で、雇用よりインフレ対応を重視する姿勢を示した後、短期国債利回りは上昇した。

Binance Researchは、過去1年間のビットコイン価格は、こうした政策見通しの再調整とほぼ逆方向に動いたと説明した。

日本の動向も、別の圧力要因として挙げた。日本銀行のバランスシートは2024年のピーク比で16.4%縮小した。政策金利を1%まで引き上げた後も、円相場は6月に1ドル=162円近辺まで下落し、約40年ぶりの安値を付けた。

一方、米国株は同じ期間に上昇基調を維持した。レポートは、人工知能(AI)向けハードウェア投資が1〜3月期の国内総生産(GDP)成長への寄与の約40%を占め、2009年以降で初めて個人消費の寄与を上回ったと説明した。

Binance Researchは、足元の市場が織り込むFRBの政策パスは過度にタカ派的だと指摘した。下期については、「AI設備投資サイクルは中断ではなく減速を示している」「リターンの源泉はバリュエーションではなく実績に移った」との見方を示した。

オンチェーン指標は、投げ売り局面が深まったことを示した。6月末時点で含み損となっているビットコインは約1083万BTCとなり、含み益の922万BTCを上回った。

損失側が利益側を上回るのは今回のサイクルで初めてという。レポートは、50%超の下落率に加え、2025年10月の高値から275日が経過している点を踏まえると、2026年4〜12月にかけても底打ちを断定しにくいと説明した。

市場シェアの面では、ビットコインは引き続き優位を保った。上期を通じて暗号資産市場全体の57〜60%を占め、相場下落時の逃避先として機能したためだ。

ただ、ビットコインのシェアが低下した局面でも、資金はアルトコインに向かったわけではなかった。ステーブルコインへ移るか、市場の外へ流出する動きが目立ち、アルトコインへの明確な循環物色は確認されなかった。

分散投資先としてのビットコインの機能も試されたが、上期のパフォーマンスは低調だった。マクロ不安が強まる局面では株式より先に下落し、その後にテクノロジー株主導の反発が起きても、回復局面に乗れなかった。

レポートは、ビットコインについて、現物ETFの登場後も24時間取引される資産であるため、伝統的な金融市場より金利見通しの変化を早く価格に織り込むと分析した。上期の値動きは、安定したヘッジ手段というより、流動性に敏感なマクロ資産に近かったとしている。

需給の悪化はより直接的だった。ビットコイン現物ETFは、上場以来初めて年初来ベースで純流出に転じた。

6月単月の流出額は45億ドル(約6750億円)に達し、このうち4分の3超をBlackRockのIBITが占めた。

企業による財務戦略上の買い需要も弱まった。企業の保有目的の買いは実質的にStrategyが支えていたが、同社の企業価値は保有するビットコインの価値を下回った。

その結果、追加の株式発行は価値拡大よりも希薄化を強めやすい局面に入った。Strategyは5月に32BTCを処分し、6月末にも1363BTCを売却した。

ただしレポートは、これらの売却について、保有残高と分配義務を支えるための措置であり、投資判断の変化を示すシグナルではないとみている。

上場マイニング企業にも圧力が強まった。ハッシュ価格は過去最低水準まで低下し、マイニング企業の売却ペースも記録的な水準に達した。

その過程で、ビットコインマイニングを中核に据える事業者と、AIや高性能コンピューティング(HPC)向け契約に軸足を移す事業者との格差も拡大した。これは、電力や資本、バランスシートの配分手法が変わりつつあることを意味するという。

時間の経過とともに、ビットコイン売却への依存は低下する可能性がある一方、資源そのものがマイニングから離れていく流れも同時に進んでいると分析した。

またレポートは、量子コンピューティングがビットコインの暗号基盤に及ぼし得るリスクについて、上期に理論的な議論の段階から、実際の移行準備を検討する段階へ移ったとの見方を示した。

関連プロトコルの草案も出回り始め、機関投資家にとって長期的な点検課題として浮上しているという。下期のビットコイン市場では、金利見通しに加え、ETFの資金フローや企業・マイニング企業の売り圧力が和らぐかが主要な変数となりそうだ。

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