写真=UBTECHのヒューマノイドロボット「S1」

中国商務部は30日、米連邦通信委員会(FCC)が先端ロボット機器に対する輸入規制を強化したことについて、米中の経済・貿易関係を損なうとして撤回を要求した。応じない場合は対抗措置を講じる可能性があると警告しており、米中の技術・通商摩擦がロボット分野にも広がっている。

米CNBCによると、FCCは29日、サイバーセキュリティ上の懸念を理由に、海外製の先端ロボット機器を輸入規制の対象に加えた。対象にはヒューマノイドロボットも含まれる。FCCは特定の国名には触れていないが、すでに認められているモデルについては小売業者による輸入を引き続き認めるとしている。

これに対し、中国商務部は「米国は中国製品への制限を強め続けている」と反発。「こうした措置は米中の経済・貿易関係の安定を深刻に損なう」と主張し、決定の撤回を求めた。その上で、撤回しなければ対抗措置を取ると警告した。中国側は、これまで製品の禁止措置には抑制的に対応してきたものの、FCCがこうした立場を繰り返し無視してきたとも訴えた。

今回の措置は、人工知能(AI)を巡る対立に続き、米中の技術競争がロボット分野にも波及していることを示している。ドナルド・トランプ米大統領は9月に習近平国家主席を迎えて会談する予定だが、両国間の緊張はなお続いている。スコット・ベセント米財務長官はこれまで、中国によるAIモデルの「窃取」を理由に制裁の可能性に言及したことがある。

市場では、今回の規制が中国のヒューマノイド関連企業の資金調達計画に重荷となるとの見方が出ている。Counterpoint Researchのマーク・アインシュタイン調査ディレクターは、今後数カ月以内に新規株式公開(IPO)を進める中国企業にとって悪材料になると指摘した。また、中国の対抗手段として、米企業向けレアアース販売の追加制限や、Tesla、NVIDIAなど米企業の中国市場へのアクセス制限強化を挙げた。

株式市場も反応した。香港市場に上場するUBTECHは30日の取引時間中、一時6%超下落した。UnitreeとAgibotは上場を申請している。Counterpoint Researchによると、昨年のヒューマノイドロボットの導入台数ベースの市場シェアでは、Agibot、Unitree、UBTECHが上位3社を占め、TeslaのOptimusは5位だった。

北米で中国製ヒューマノイドロボットを流通させるRobostoreは、米国内での事業基盤強化を進めている。テディ・ハガティ最高経営責任者(CEO)は、米国での運営体制を拡充して備えてきたと明らかにしたが、詳細は公表しなかった。

一方、トランプ大統領は同日、米国の対中技術優位を維持するため、AI分野の規制をより慎重に進める可能性を示唆した。ヒューマノイドロボットを巡る輸入規制と対抗圧力は、米中の技術・通商対立における新たな焦点となりつつある。

キーワード

#中国 #米国 #ヒューマノイドロボット #FCC #輸入規制 #サイバーセキュリティ #AI #UBTECH #香港市場
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.