米連邦通信委員会(FCC)は28日(現地時間)、国家安全保障と利用者の安全を理由に、ネット接続機能を備えた先端ロボットと外国製の電力インバーターを新たな輸入規制の対象に加えると発表した。通信機器を中心としてきた対中規制が、ロボットやエネルギー機器にも広がる形となり、中国企業への影響が大きいとみられる。
米ITメディアのThe Vergeが報じた。FCCはFAQで、先端ロボットについて、地上を自律移動し、障害物を回避でき、周辺環境を認識するセンサーとネットワーク接続用チップを搭載した機器と定義した。対象はヒューマノイドや四足歩行ロボットに限らず、より広い範囲の移動型機器に及ぶ。
このうち、重量が4.4ポンド(約2kg)を超える製品が規制対象となる。今後発売される一部のロボット掃除機も、例外承認を得られなければ米市場への投入が難しくなる可能性がある。FCCは、米国の国家安全保障と公共の安全に「容認できないリスク」があると説明している。
今回の措置では特定の国名は明示していない。ただ、業界では中国企業への影響が最も大きいとの見方が強い。中国ではヒューマノイドロボットの生産拡大が進んでいるほか、太陽光や再生可能エネルギー設備で使われる電力インバーターでもSungrowやHuaweiなどの有力企業が存在する。Huaweiはすでに米政府の制裁対象となっている。
規制は、すでに使用されている製品には遡及適用されない。米国内の個人および企業は、現在利用しているロボットや電力インバーターを引き続き使用できる。
一方で、新製品を米市場に供給する企業には例外承認が必要となる。FCCは申請にあたり、単なるセキュリティ強化策ではなく、米国内生産への移行計画を詳細に示すよう求めた。申請企業は、将来的に米国内で生産を始めるための具体的な工程表を提示する必要がある。
FCCはあわせて、例外措置を通じて、すべてのロボットと電力インバーターが2029年1月1日までにセキュリティと互換性に関する更新を受けられるようにする方針も示した。ただ、現時点では、企業がセキュリティ更新を配布する際にFCCへ別途届け出る義務はない。
業界では、米国がこれまで通信機器に適用してきたサプライチェーン規制を、ロボットとエネルギー機器に拡大した事例と受け止められている。例外承認の審査で、製品自体の安全性よりも、生産拠点の所在やサプライチェーン再編の有無が重視される点にも関心が集まっている。
中国以外に生産拠点を持つ企業の一部は、規制の影響を相対的に抑えられる可能性がある。もっとも、米国のロボット・電力機器市場は今後、セキュリティ規制の強化に加え、生産体制の見直し圧力にも同時にさらされるとの見方が出ている。