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SpaceXの新規株式公開(IPO)直後、米下院議員6人またはその家族が同社株を取得していたことが開示資料から明らかになった。対象者の多くは、国防や宇宙、AI、金融市場など、SpaceXの事業や資金調達に関わる分野を所管する委員会に所属しており、利益相反への懸念が強まっている。

CNBCが28日(現地時間)に報じたところによると、6月12日のIPO後6日間に、下院議員6人または家族が取得したSpaceX株の総額は、開示資料ベースで8万3000〜24万5000ドル(約1245万〜3675万円)とみられる。

今回名前が挙がったのは、ウィリアム・ティモンズ、ジョン・マクガイア、ダン・ミューザー、ギル・シスネロス、ジョン・ジェームズ、ジャレッド・モスコウィッツの各議員。米議会の資産開示制度では取引額を一定のレンジで申告する仕組みのため、実際の投資額は幅でしか把握できない。

開示によると、ティモンズ議員は最大10万ドル(約1500万円)分を取得した。ジェームズ議員の配偶者とミューザー議員の家族による取引は、それぞれ1万5001〜5万ドル(約225万〜750万円)の区分で申告された。マクガイア議員の配偶者、モスコウィッツ議員、シスネロス議員の取引は、いずれも1001〜1万5000ドル(約15万〜225万円)の区分だった。

問題視されているのは株式取得そのものより、投資先と議員の公的権限が重なっている点だ。6人のうち5人は、国防、衛星通信、AI、証券市場などを扱う常任委員会または小委員会に所属している。SpaceXは連邦政府の許認可や大型の政府契約への依存度が高い企業でもある。

同社の証券届出書によると、2025年の売上高の約20%は連邦政府機関向けで、主要顧客には米航空宇宙局(NASA)や国防総省、情報機関が含まれる。

現時点で、未公表情報の利用や議会の取引規則違反を示す証拠は確認されていない。今回の取引は現行法上、違法ではない。一部の議員側は、取引は配偶者や扶養家族名義で行われたものであり、外部の投資顧問会社が運用を担っていたケースもあると説明している。

ただ、倫理問題の専門家は、そうした事情があっても利益相反の懸念は消えないと指摘する。Campaign Legal Centerで倫理部門ディレクターを務めるケドリック・ペイン氏は、今回の事例はインサイダー取引に当たるかどうかにとどまらず、公職者の利益相反というより大きな問題を示していると述べた。

政府契約企業を監督する委員会で活動する議員が、その企業に個人として投資すれば、潜在的な利益相反が生じ得るという。配偶者や扶養家族名義であっても、問題の構図は変わらないとしている。

議会内からも批判の声が上がっている。プラミラ・ジャヤパル議員は、一部の議員が有権者のための立法よりも個人資産の拡大を優先しているように映ると批判した。モスコウィッツ議員のように、SpaceXを直接監督する委員会に所属していないケースでも、利益相反を巡る議論は続いている。

議員は国防予算や政府契約に影響し得る法案の採決に参加するため、委員会所属の有無にかかわらず利益相反の懸念がある、との指摘も出ている。

個別の取引では、シスネロス議員が6月18日に本人名義でSpaceX株を取得した。同議員は現在、下院軍事委員会に所属している。ジェームズ議員の配偶者は、上場初日の6月12日に株式を買い付けた。

ジェームズ議員側は、子どもたちの宇宙産業への関心をきっかけに、配偶者が一般投資家と同様に証券会社を通じて投資したと説明した。

マクガイア議員の配偶者は6月15日に株式を取得し、マクガイア議員は軍事、外交、金融サービス関連の小委員会で活動している。ミューザー議員の扶養家族も同日に株式を買い付けた。ティモンズ、マクガイア、ミューザーの各議員側は、別途コメントを出していない。

今回の取引は、SpaceX株の値動きが大きかった時期とも重なる。SpaceX株は公開価格135ドル、初値150ドルを付け、6月には終値ベースで一時201.80ドルまで上昇した。

一方、27日の終値は113.46ドルで、公開価格を約16%、高値を約44%下回った。

開示制度では正確な取引額ではなくレンジのみが示されるため、各議員または家族の実際の損益は確認できない。Tidal Financialのダン・ワイスコフ氏は、実際の投資成果が判明するのは数年後になる可能性があるとした上で、立法権限と投資資産が同時に存在する構図自体がグレーゾーンを生むと指摘した。

政治資金の流れにも改めて注目が集まっている。SpaceXの従業員政治活動委員会(PAC)は、2025年1月から2026年6月までに連邦選挙に約190万ドル(約2億8500万円)を支出した。特に今年6月の献金12万7500ドル(約1913万円)のうち、約94%が共和党候補または共和党系団体に充てられたという。

今回の問題が表面化したのは、米下院が議員と家族による個別株取引を制限する「STOP Insider Trading Act」を可決した直後だった。同法案は新たな個別株購入を禁じる一方、既に保有している株式の継続保有は認める内容で、先週下院を通過し、現在は上院での審議を控えている。

ただ民主党は、既保有株を持ち続けられる現行案では、今回のSpaceXのような利益相反問題を根本的に防ぐのは難しいと批判している。

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