写真=Emirates

Emiratesは、アラブ首長国連邦(UAE)で暗号資産による航空券決済に対応した。Crypto.com Payとの連携により、UAE居住者は公式サイト「emirates.com」と公式アプリで暗号資産を使った支払いが可能になる。対象は、決済通貨がUAEディルハム(AED)の予約に限られる。

この動きは、ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineが7月28日(現地時間)に報じた。Crypto.comアカウントを持つ利用者は、予約時の決済画面で「Crypto.com Pay」を選択できる。

Emiratesは2022年、ビットコイン決済の導入計画を示唆していた。今回の対応により、Crypto.com利用者は保有する暗号資産を航空券の支払いに充てられるようになった。

もっとも、提供範囲は限定的だ。現時点ではUAE居住者のみが利用でき、対象となるのはAED建ての予約に限られる。

EmiratesとCrypto.comの協業は、すでに昨年発表されていた。今回の決済機能連携は、その取り組みを実装段階に進めたものとなる。Emiratesの副社長兼最高商業責任者のアドナン・カジム氏は、「携帯電話で資金を管理し、旅行を計画するデジタル志向の世代の嗜好を反映したものだ。航空会社もこうした流れに対応する必要がある」とコメントした。

決済インフラは、Crypto.comのドバイのライセンス法人を通じて運営される。Crypto.comは、この法人について、UAE中央銀行からStored Value Facility(SVF)ライセンスを取得した初の仮想資産サービス提供者だと説明している。今回の導入が現地の規制枠組みに沿って実施されたことを示すものだとしている。

今回の導入は、ドバイが進めるデジタル決済拡大の流れにも沿う。ドバイは「D33経済アジェンダ」の一環として「ドバイ無現金戦略」を推進しており、2026年末までに政府・民間部門の取引の90%をデジタル方式に転換する目標を掲げている。Emiratesの暗号資産決済対応は、こうした政策の下で民間サービス分野の決済手段を広げる事例といえる。

Emiratesはこれに先立ち、Dubai Financeとデジタル決済拡大に向けた協力を進めてきた。Crypto.comも別途、Dubai Financeと連携し、政府サービスにデジタル決済を導入する契約を結んでいる。今回の導入により、暗号資産決済の活用範囲は航空予約分野にも広がった形だ。

市場では、航空券のように実利用の頻度が高いサービスで暗号資産決済が導入された点に注目が集まりそうだ。一方、現時点では対象がUAE居住者によるAED建て予約に限られており、今後、適用地域や決済範囲が広がるかが焦点となる。

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