CryptoQuantは、Ethereumのオンチェーン指標に改善が見られる一方で、相場の底打ちはなお確認できないとの見方を示した。売り圧力の緩和や需要回復の兆しは出ているが、主要な底打ち指標の多くは過去の反転水準にまだ達していないという。
Cointelegraphが23日付で報じたところによると、CryptoQuantは、Ethereumがビットコイン対比で割安感を強めつつあるものの、今回サイクルの安値形成はなお途上にある可能性が高いと分析した。
足元のEthereumは、実現価格である約2300ドル(約34万5000円)を約17%下回る水準で取引されている。実現価格は、流通する全ETHのオンチェーンベースの平均取得単価を示す。CryptoQuantによれば、過去にはETHが実現価格を下回って推移した局面で、割安圏入りと長期的な底値形成が重なる傾向があった。
ビットコインに対する相対バリュエーションにも改善の兆しが出ている。ETHの時価総額対実現時価総額比率(MVRV)は極端な割高圏から低下し、取引所への流入量も減少した。数カ月にわたり低迷していた上場投資信託(ETF)の保有量は持ち直し始めており、ETH/BTCの現物取引量も過去の底値圏で見られた水準まで低下した。
ただ、CryptoQuantが示した主要な底打ち指標5つのうち、過去の反転水準に達したのは2つにとどまった。残る指標も改善傾向にはあるが、前回サイクルの安値局面で確認されたような極端な水準にはまだ届いていない。
外部環境もEthereumの支援材料となっている。今週はEthereumが一時1950ドル(約29万2500円)を上回り、ビットコインも6万7000ドル(約1005万円)を突破した。米国のクラリティ法案を巡る期待が投資家心理を押し上げたためとみられる。一部の市場関係者は、高バリュエーションの人工知能(AI)関連株から流出した資金が暗号資産市場に向かう可能性も指摘している。
オンチェーンでは、売り圧力の後退を示す動きも確認された。6月29日からの週には、取引量ベースで世界最大の暗号資産取引所であるBinanceからの出金が約3年ぶりの高水準を記録した。一般に、取引所外への資産移動は、投資家が売却目的で取引所に置くのではなく、自己保管やステーキングに振り向けているサインと受け止められることが多い。ただ、それだけで蓄積局面入りと結論づけることはできない。
ステーキング比率の上昇も供給面の変化を示している。StakingRewardsの集計によると、現在はEthereum流通量の34%がステーキングされている。ステーキング参加が増えれば、市場で直ちに売買可能なETHは減少する。需要が維持されれば、短期的な売り圧力の低下につながる可能性がある。
機関投資家による保有拡大も続いている。トム・リー氏のBitMine Immersion Technologiesは、直近1カ月で32万5000ETHを追加購入した。同社は含み損下でも買い増しを続けており、Ethereum供給量の5%保有を目標に掲げている。
市場では現在、Ethereumの割安シグナルと実際の底打ち確認を切り分けて見極める局面にある。実現価格割れ、取引所流入の減少、ETF保有の回復、ステーキング増加といった指標は改善方向を示している。一方で、CryptoQuantが指摘するように、主要な底打ち指標の多くはなお過去の反転水準に達しておらず、今後はオンチェーン指標と資金フローの変化を追加で確認できるかが焦点となりそうだ。