【上海=Dae-geon Seok】アジア有数の電子部品展示会「electronica Shanghai 2026」が7月1日、中国・上海新国際博覧センター(SNIEC)で開幕した。会場ではヒューマノイドロボットと半導体関連ブースに来場者が集まり、車載AIの普及を背景に、競争の軸が機能そのものからそれを支える基盤部材へ移りつつある実態が浮かんだ。
展示会には2032社超が参加し、会期は3日まで。W1〜W5、N1〜N5の計10ホールで、半導体、コネクター、電力部品、センサーなどを展示する。
会場は広大で、ホール間を移動するシャトルカートが運行するほどの規模だ。開幕初日から主要ブース前には、部材サプライチェーンへの参入や取引拡大を狙う企業担当者が集まり、名刺交換や商談を進めていた。
特に来場者の関心を集めたのは、ヒューマノイドロボット展示エリアと半導体セクターだった。ロボットの実演には人だかりができ、半導体ブースではチップ仕様を巡る商談が絶えなかった。
入口近くに大規模ブースを構えたのは日本の村田製作所だ。正面にヒューマノイドロボットを配置し、中国の完成車メーカーや部品サプライチェーンへの浸透を意識した展示構成を打ち出した。部品展示会の重心がどこへ向かっているかを象徴するレイアウトといえる。台湾パビリオンも出展しており、会場では地政学的な緊張を強く意識させる場面は見られなかった。
◆自動車の次はヒューマノイド、部品業界の新たな主戦場に
今回の展示会で際立っていた変化の1つが、ヒューマノイドロボットの存在感の高まりだ。主催者は「ヒューマノイドロボット展示エリア」と「エンボディドAI産業応用カンファレンス」を別途設け、関連分野を前面に押し出した。展示エリアでは実機デモが相次ぎ、来場者の足を止めていた。
ヒューマノイドは40以上の自由度を制御する必要があり、各関節に搭載されるマイクロコントローラー(MCU)や電力半導体、コネクターの性能が量産の成否を左右する。自動車に続き、ヒューマノイドが部品業界の新たな有望市場として浮上していることを印象づけた。
会場ではAI関連技術への関心も高かった。車載システムオンチップ(SoC)から4Dイメージングレーダー、車載イメージセンサーまで、AI機能を支える基盤ハードウェアの各ブースで商談が続いた。コネクターの接続方式、イメージセンサーの仕様、GPUへの電力供給経路などを巡り、具体的な質問が相次いだ。
◆競争軸は「機能」から「基盤技術」へ
会場で確認できたもう1つの潮流は、競争の重心が魅せる機能から基盤技術へ移っている点だ。産業調査機関EOインテリジェンスによると、中国のAIベースのインテリジェントEV普及率は2025年に20%近くに達し、2030年には50%を超える見通しという。
スマートコックピットや知能走行機能の差別化が難しくなるなか、競争力を左右する要素は、限られた電力・空間・コストの条件下で機能を安定実装できるかどうかに移っている。半導体や電力部品、コネクターの完成度が、製品力を左右する局面に入りつつある。
こうした流れは、素材や電力半導体、コネクターに強みを持つ韓国の車載電子・電子部品企業にとっても商機となり得る。自動車がAIを搭載する段階から、AIを安定稼働させる段階へ移るなか、ヒューマノイドも同様の流れをたどり始めている。electronica Shanghai 2026は、グローバルの車載電子・半導体サプライチェーンの次の構図を映し出す現場といえそうだ。
韓国半導体産業協会が運営する韓国パビリオンには、MangoBoost、AD Technology、PowerCube Semi、AimFuture、BOS Semiconductorsなどが参加した。このほか、Poongsan、CoChip、Yura、Pixelplusなどもブースを構え、グローバルサプライチェーンとの接点拡大を図った。
韓国パビリオンに参加した企業関係者は、「electronicaを実際に見ると、COEXが5つあるような規模だ」と話した。そのうえで、「部品展示会のため直接的な営業接点は多くないが、中国市場進出を準備しており、自社をアピールする場として出展した」と説明。「会期中に、より多くの潜在顧客が訪れることを期待している」と述べた。