技術開発そのものより、eVTOLの量産体制構築に重点を置く協業となる(写真=トヨタ自動車)

トヨタ自動車と米eVTOL開発企業のJoby Aviationは、電動エアタクシーの商用生産に向けた製造協業を本格化する。両社は合弁会社を設立し、量産体制の構築を進めることで、先進航空モビリティ(AAM)市場の開拓を加速させる。

EV分野の専門メディアCleanTechnicaは6月30日(現地時間)、両社がeVTOLの商用生産に向けた合弁会社「Joby Toyota Aero Manufacturing Preparation Company」を設立したと報じた。

合弁会社はまず生産システムの整備に取り組み、生産性、品質、コスト競争力の向上を図る。その後は機体認証に向けた手続きにも対応し、市場拡大に合わせて生産能力を段階的に引き上げる計画だ。

今回の協業の柱は、Joby Aviationの航空機開発技術と、トヨタ自動車の製造ノウハウの融合にある。Joby AviationがeVTOLの設計・開発を担い、トヨタ自動車はグローバルな自動車生産で培った製造運営の知見を生かして、安定した量産体制の構築を担う。

出資比率はトヨタ自動車が51%、Joby Aviationが49%。トヨタ自動車が過半を出資して経営面を主導する一方、製品開発と技術分野ではJoby Aviationが中心的な役割を担う。

両社の協力関係は今回が初めてではない。Joby Aviationの創業者兼CEO、ジョーベン・ベバート氏は、トヨタ自動車が過去10年にわたり、航空機製造基盤の構築を継続的に支援してきたと説明した。その上で、「今回の発表は、両社が未来の航空モビリティについて同じビジョンを共有していることを改めて示すものだ」とし、「航空モビリティを日常的な交通手段にすることが共通の目標だ」と述べた。

トヨタ自動車も今回の協業を、既存のモビリティ戦略の延長線上に位置付けている。豊田章男会長は「トヨタは創業以来、すべての人のためのモビリティを追求してきた」とした上で、「航空モビリティは、その理念が地上から空へ広がる自然な進化だ」とコメントした。さらに、「同じビジョンを持つJoby Aviationとともに未来のモビリティを形にしていくことは、非常に意義のある挑戦だ」と強調した。

一方、今回の発表では、具体的な生産目標やスケジュール、収益性に関する計画は示されていない。現時点では大規模な商用化を打ち出すというより、生産体制の整備と量産準備に重点を置いた内容となっている。とりわけ、生産性、品質、コストの改善は、eVTOL市場でこれまで主要課題とされてきた領域でもある。

そのため今回の合弁は、技術開発そのものよりも製造実行力の確保に重心を置く取り組みといえる。Joby Aviationの電動航空機開発力と、トヨタ自動車のグローバル製造運営の経験を組み合わせることで、商用生産へのハードルを下げる狙いだ。今後は認証手続きの進展と需要拡大に合わせて生産能力を高め、航空モビリティ事業の本格的な事業化に向けた実行段階へ移る見通しだ。

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