ステーブルコインのイメージ写真=Reve AI

企業によるステーブルコイン活用が今後1年で一段と広がる見通しだ。決済インフラ企業Cybridの調査では、回答企業の88%が今後12カ月以内にステーブルコインを利用する可能性が「高い」または「非常に高い」と答えた。越境決済コストの削減と業務効率の向上が、導入を後押ししている。

Cointelegraphが6月30日付で伝えた。調査によると、すでに回答企業の42%が越境決済でステーブルコインを利用している。一方、従来の金融決済網だけを使っていると答えた企業は2%にとどまった。企業の決済手段が、既存インフラ中心からデジタル資産を活用した仕組みへ移行しつつある実態が浮かんだ。

コスト面の効果も大きい。ステーブルコインを活用している企業は、越境決済コストが平均35%下がったと回答した。月間決済額が1億ドルを超える企業では、削減率は平均47%に達した。ステーブルコインが実証段階を超え、企業のコスト構造を見直す有力な決済手段になりつつあることを示している。

主な用途は、海外拠点の給与支払いやフリーランス、外部委託人材への報酬支払いだった。これにサプライヤーへの支払い、顧客決済、投資・収益管理、ベンダー精算、財務・流動性管理が続いた。反復的な国際送金が多い業務ほど、採用が進みやすい傾向がみられたという。

一方、普及拡大の最大の障壁として挙がったのは規制だ。回答者の71%は、ステーブルコイン活用を広げるうえで必要な要素として「規制の明確化」を挙げた。信頼できるインフラ事業者の確保や既存決済システムとの連携よりも、優先度が高いと受け止められている。

市場規模も拡大している。CoinGeckoによると、世界のステーブルコイン時価総額は足元で約3076億ドル。このうち、TetherのUSDTが約1847億ドル、CircleのUSDCが約735億ドルを占める。米国で関連法整備が進むなか、米連邦規制の枠組みに沿う決済向けステーブルコインの時価総額も760億ドルを超えた。

企業需要の拡大を支えるインフラ整備も進む。Falcon Financeは5月、Anchorage Digital Bankの発行プラットフォームを通じて、ドル建てステーブルコイン「fUSD」を投入した。機関投資家による取引や担保管理、財務運営の需要を取り込む狙いという。

BNYも最近、デジタル資産カストディープラットフォームにUSDC対応機能を追加した。これにより機関顧客は、銀行経由でUSDCの直接保管や送金に加え、発行・償還業務まで一体的に処理できるようになった。

業界データでも同様の流れが確認されている。決済プラットフォームPaybisは、2026年最初の4カ月に同社で処理したステーブルコイン決済の約98%が法人顧客によるものだったと発表した。2023年の36%から大幅に上昇したという。さらに、McKinseyの資料を引用し、2025年の世界のステーブルコイン決済額約3900億ドルのうち、約60%が企業間取引(B2B)だったと説明した。

Cybridの調査は4月28日から5月4日にかけて実施した。対象は米国、カナダ、英国のテクノロジー、金融サービス、電子商取引企業の経営層や財務・決済担当者ら468人。調査結果は、ステーブルコインが送金コスト削減と運用効率改善の手段として急速に定着する一方、今後の普及ペースは各国の規制整備に左右されることを示している。

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