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米上院の共和党指導部が、暗号資産の市場構造を定める「クラリティ法案」の7月成立に向けて動きを強めている。8月の長期休会前に審議できる時間は実質4週間にとどまり、民主党の協力を取り付けられるかに加え、トランプ大統領が最終的に署名するかどうかも焦点となる。

ブロックチェーンメディアのCointelegraphが29日(現地時間)に報じたところによると、上院は7月13日まで地元日程のため休会中。再開後、8月休会入りまでの限られた日程の中で法案処理を進める必要がある。

クラリティ法案は、デジタル資産規制全般に関する包括的な指針の整備を柱とする法案だ。2025年7月に下院を通過したものの、その後は議会内での審議が停滞していた。ステーブルコイン報酬を巡る業界の反発に加え、倫理規定を巡る議員の懸念もあり、上院での審議が長引いていた。

もっとも、上院での手続きには一定の進展もみられる。法案は1月に上院農業委員会、5月に上院銀行委員会をそれぞれ通過し、本会議採決を視野に入れる段階に入った。今後の焦点は、本会議で採決日程を確保できるか、可決に必要な票数を積み上げられるかに移っている。

共和党指導部は7月中の成立を目指す姿勢を公にしている。ティム・スコット上院銀行委員長とジョン・スーン共和党院内総務は28日、法案の7月成立を後押しする考えを示した。支持派のシンシア・ルミス上院議員も先週のインタビューで、「レイバー・デー以降、クラリティ法案成立に向けた交渉に専念してきた」「厳しいプロセスだった」と語った。

ただ、上院通過までのハードルはなお高い。共和党は上院で僅差の多数にとどまっており、来月に採決する場合は一部民主党議員の賛成が欠かせない。とりわけ民主党内では、ドナルド・トランプ大統領のミームコインや、トランプ一族が関与するWorld Liberty Financialのプラットフォーム、ビットコイン採掘企業との関係を挙げ、利益相反を防ぐ仕組みが必要だとの見方が出ている。

先行きにはホワイトハウスの対応も影を落としている。トランプ大統領は25日、超党派の支持を得ていた住宅法案「21世紀住宅ロード法案」の署名式を取りやめた。同法案には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行禁止条項が盛り込まれていた。

トランプ大統領は、共和党が有権者登録の要件として米国市民権の証明を求める「SAVE America Act」を成立させるまで署名しないと表明している。3月には、この法案が通過するまで他の法案にも署名しない考えを示していた。

こうした方針は、クラリティ法案の成立にも不透明感をもたらしている。トランプ大統領はこれまで同法案に前向きなシグナルを発してきたが、現時点で実際に署名するかどうかは見通せない。仮に拒否権を行使した場合、議会が覆すには上下院それぞれで3分の2の賛成が必要となる。一方、議会開会中に大統領が10日以内に署名も拒否も行わなければ、法案は自動的に成立する。

市場関係者と業界は、残された日程そのものを最大の変数とみている。上院が8月までに60票の壁を越えられなければ、再選を控えた議員の選挙日程とも重なり、法案処理がさらに後ろ倒しになる可能性があるためだ。その場合、クラリティ法案は2027年の次期会期に持ち越されるとの見方も出ている。

7月は、米国の暗号資産規制の大枠を左右する分岐点になりそうだ。上院指導部の推進力、民主党の協力度合い、そしてトランプ大統領の署名判断が、クラリティ法案の行方を決めることになる。

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