CLARITY Actを巡る上院審議は難航も予想される(写真=Shutterstock)

米上院で審議中のデジタル資産の市場構造法案「CLARITY Act」が、独立記念日の休会入りを受けて水面下の調整局面に入った。法案の行方は、上院通過に必要な60票を確保できるかに加え、利益相反を巡る倫理条項や604条の扱いを巡る詰めの協議に左右される見通しだ。

30日付のBitcoin Magazineによると、上院は7月4日の独立記念日に伴う休会に入り、CLARITY Actを巡る議論は公開審議から非公開ベースの交渉へと軸足を移した。

上院議員が議会に戻るのは7月13日の予定。ただ、その後の審議日程にも余裕はない。ジョン・スーン上院共和党院内総務は、同日を含む週に国防権限法(NDAA)の処理を優先する方針を示している。

このため、CLARITY Actの本会議審議は7月下旬、もしくは8月第1週にずれ込む可能性が高い。夏季休会前の事実上最後の審議機会になるとの見方が出ている。

最大の焦点は、法案通過に必要な60票を確保できるかどうかだ。上院の共和党議席は53で、全員が賛成に回ったとしても、民主党から少なくとも7票を上積みする必要がある。

もっとも、与党内も一枚岩ではない。共和党のジョシュ・ホーリー議員とランド・ポール議員は、ステーブルコイン規制法案「GENIUS Act」で反対票を投じており、CLARITY Actでも造反が出る可能性は残る。

交渉の中心となっているのは、ドナルド・トランプ大統領の暗号資産保有を巡る倫理条項だ。ロイターによると、トランプ大統領は再任後、暗号資産の保有を通じて新たに20億ドル超の資産を得たとされる。

民主党は、利益相反の可能性を抑えるため、実効性のある倫理規定を法案に盛り込むべきだとの立場を取っている。

こうした中、シンシア・ルミス上院議員は最近、折衷案を提示した。公職者が発行したトークンが法令に抵触する形で取引所に上場された場合、州司法長官が当該取引所を提訴できるようにする内容だ。

ただ、この案で民主党の支持を取り込めるかはなお不透明だ。ホワイトハウスも、折衷案に対する公式な見解を示していない。

もう1つの主要論点が604条だ。この条項にはBlockchain Regulatory Certainty Actが盛り込まれている。法執行当局は、現行の文言のまま施行された場合、オンチェーン犯罪に対する捜査や起訴の権限が弱まる恐れがあると懸念している。

業界内では、同条項には修正の余地があるとの見方もあるが、現時点で一致点は見いだせていないという。

また、農業委員会案のドラフトも別途協議の対象として残っている。交渉に詳しい関係者は、連邦法と州法のどちらを優先適用するか、暗号資産取引所における利益相反規制、関連会社取引の制限などが未解決の争点だと説明した。

このため、上院議員の復帰まではスタッフレベルでの文言調整が続く公算が大きい。

下院でも関連議論は続く。下院金融サービス委員会は7月17日に現地で公聴会を開き、CLARITY Actがデジタル資産産業のイノベーションに与える影響を検証する予定だ。

一方、上院銀行委員長のティム・スコット議員はこれまでも法案成立を後押ししており、共和党指導部の成立方針自体は維持されているとの見方が出ている。

今後2週間は、法案文言をどこまで修正し、超党派の支持を引き出せるかが最大の焦点となる。上院再開後もNDAAの審議日程と重なり、本会議で使える時間は限られる見通しで、利益相反規定と捜査権を巡る交渉の帰結が、8月前の成立可否を左右しそうだ。

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