InsertAnywhereの研究に携わったSK Telecomメンバー。写真=SK Telecom

SK Telecomは6月30日、KAISTのチュ・ジェゴル教授の研究チームと共同開発したAI映像合成技術「InsertAnywhere」に関する論文が、コンピュータビジョン分野の国際学会「ECCV 2026」に採択されたと発表した。

ECCV 2026は9月8日から12日まで、スウェーデン・マルメで開催される。ECCVはCVPR、ICCVと並ぶ世界有数のコンピュータビジョン学会の一つで、画像や映像をAIで解析し、物体や空間、動きなどを認識・理解する技術分野を扱う。

InsertAnywhereは、既存の映像に撮影時には存在しなかった物体を自然に挿入する技術。広告映像への製品配置に加え、撮影後のコンテンツに小道具やキャラクター、ブランド要素を加える用途を見込む。

従来の映像合成では、カメラ移動がある場面や、挿入した物体が別の物体に隠れる場面で、位置や大きさが不安定になりやすいという課題があった。隠れるべき物体が不自然に表示されたままになったり、周囲の影や反射の表現に違和感が生じたりするケースもあった。

これに対しInsertAnywhereは、映像内の3次元空間構造に時間軸の情報を加えた「4Dシーン理解技術」を適用。ユーザーが特定シーンで挿入位置を指定すると、AIがその情報を映像全体に反映し、カメラが動く場面や被写体に遮られる場面でも、挿入物の位置や形状を安定して保てるとしている。

また、挿入物の周囲に生じる影や反射、照明効果も自然に再現でき、実写になじむ映像合成が可能だという。

SK Telecomはこの技術を、バーチャル間接広告(VPPL)ソリューション「AdFlux」に適用し、商用化した。AdFluxは既存映像に特定の画像を違和感なく挿入するソリューションで、関連技術の特許出願も完了している。

このAdFluxは複数の放送番組に適用された。

SK Telecomでエンタープライズ技術支援を担当するヤン・スンジ氏は、「今回のECCV 2026採択は、SK TelecomのAI映像合成技術が国際的に評価された成果だ。広告・メディア分野で活用できる高品質なAI映像合成技術の高度化を引き続き進める」とコメントした。

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