ビットコインは6万ドル近辺でもみ合い、戻りを試す場面でも上値の重さが意識された。米株式市場が中東情勢を巡る警戒後退で反発した一方、暗号資産市場では買いの勢いが鈍く、方向感を欠く展開が続いた。
Cointelegraphによると、29日(現地時間)の米市場でビットコインは6万ドル回復を試したものの、上昇は定着しなかった。市場では、この価格帯が再び明確な上値抵抗として意識される可能性が警戒されている。
TradingViewのデータでも、ビットコインは6万ドルを挟んだ攻防が続いたが、値動きはS&P500やNASDAQ総合指数に比べて弱かった。米株が反発しても、ビットコインには買いが広がらなかった格好だ。
米株式市場は週初から上昇して始まった。ドナルド・トランプ米大統領がTruth Socialへの投稿で、イランが会談を要請し、30日に会合が開かれると明らかにしたことで、中東の緊張緩和への期待が相場を支えた。
もっとも、QCP Capitalは、米国とイランの双方がいったん強硬姿勢を和らげたように見えても、情勢の不透明感は依然として強いと指摘した。原油相場の持ち直しが、暗号資産市場の重荷になる可能性もあるとしている。
実際、WTI(米国産標準油種)は先週末に1バレル=68ドルを下回り、3月初め以来の安値を付けた。その後は再び70ドル台を回復している。
QCP Capitalは、米市場が今週金曜日に休場となることに加え、米国とイランを巡る情勢も流動的だとして、先週末のような薄商いのなかで価格変動が大きくなる可能性があるとの見方を示した。
短期筋の様子見姿勢も強まっている。短期足では一方向のトレンドが出にくく、相場は不安定な値動きが続いた。トレーダーのDan Crypto Tradesは、価格が6月以前の安値圏でもみ合っているとしたうえで、6万ドル近辺では上値を抑えられる一方、下方向では安値をわずかに切り上げる下ヒゲも確認されていると述べた。
オンチェーン指標からも、同様の慎重姿勢が読み取れる。Glassnodeは最新レポートで、買い手はなお持続的な回復相場を支えるほどの確信を示しておらず、その結果としてビットコインは直近安値圏のレンジにとどまっていると分析した。
同社は、資金流入が細るなかで投資家がより防御的な姿勢を強めており、市場内部では構造調整が続いていると評価した。
一方で、オンチェーンデータ全体では、需給が以前より均衡に近づいている兆しもあるという。保有コインがより投機的な投資家層へ移りつつあるため、価格変動が再び大きくなる可能性は残るとした。
Glassnodeは、ビットコインが6万ドル近辺で安定する兆しはあるものの、現物市場の注文フロー、デリバティブのポジション、機関投資家需要はいずれも防御的だと説明した。意味のある買い需要が戻らなければ、持続的な反発は見込みにくいとの見方を示している。
目先の焦点は、ビットコインが6万ドルを回復できるかどうかに加え、原油相場の動向、そして米国とイランを巡る報道に対してリスク資産市場がどう反応するかに移っている。市場では、株高とは別に、ビットコイン独自の買い材料が出てくるかを見極める局面となっている。