金融監督院は29日、銀行業界に対し、AI活用の拡大に合わせた内部統制体制の整備を求めた。AIの導入が金融業務全般に広がるなか、想定しにくいリスクに備えるためのガバナンスと統制基準の構築が必要だと判断した。
同院は同日、ソウル・汝矣島の本院で「2026年上半期の銀行業界内部統制ワークショップ」を開催したと発表した。ワークショップには銀行持株会社8社、銀行20社の内部統制担当者ら約170人が参加した。
コァク・ボムジュン金融監督院銀行担当の副院長補は冒頭あいさつで、安全なAI導入に向けた内部統制の構築に加え、金融事故を防ぐ組織文化の定着や、脆弱層の保護体制強化を呼びかけた。
ワークショップでは「AI時代の内部統制」をテーマに、外部専門家による特別講演と銀行業界の事例発表が行われた。Anjin Accounting Corporationは、AI導入に伴う内部統制のフレームワークを提示。ガバナンス、業務リスクとの連携、データ・モデル管理、運用と事後管理、説明可能性を主要な柱として示した。
銀行側の事例としては、Shinhan BankとKakaoBankが発表した。Shinhan Bankは異常兆候を検知するAIエージェントの導入事例を共有し、KakaoBankはAIのライフサイクルごとの管理体制や、段階別に進めるAIガバナンスの運営事例を紹介した。
金融監督院はあわせて、銀行持株会社の支配構造に関する特別点検の結果も共有した。支配構造に関する模範規準の整備後、形式面では改善がみられたものの、一部では経営陣へのけん制機能が不十分だったり、CEO後継者の選定手続きが形式的に運用されたりする事例が確認されたと説明した。
また、事業者向け融資の資金の目的外流用を巡っては、事後点検の強化を求めた。
個人債務者保護法に関する内部統制の点検結果では、延滞管理から債務調整に至る全プロセスで、債務者の権利侵害に当たる事例が確認されたと明らかにした。主な事例として、不適切な住宅競売の申し立て、取り立て連絡回数の制限違反、期限の利益喪失予定や債権譲渡予定の通知漏れを挙げた。
金融監督院は「法令違反事項には厳正に制裁し、業務体制やシステムの不備については直ちに改善するよう指導する方針だ」としたうえで、「今後も内部統制ワークショップや懇談会を通じて、銀行業界との意思疎通を図っていく」と述べた。