NIOの発表は、市場見通しに加え、製品実績とコミュニティ運営方針も示した。写真=Shutterstock

中国の電気自動車大手NIOのウィリアム・リ最高経営責任者(CEO)兼会長は27日(現地時間)、2030年の中国の新車販売に占めるプラグイン車の比率が90%を超えるとの見通しを示した。新エネルギー車市場ではバッテリー電気自動車(BEV)が中心となるとの見方も示し、電池交換インフラや自社開発半導体を軸とする同社の長期戦略を打ち出した。

電気自動車メディアのCleanTechnicaによると、リ氏は「2026 NIO Partner Day」で、「2030年には中国の自動車販売の90%以上がプラグイン車になる」と述べた。あわせて、新エネルギー車市場でもBEVが主流になるとの認識を示した。

リ氏は、2030年の中国の新エネルギー車市場の約90%をBEVが占めると予測した。プラグインハイブリッド車(PHEV)を含む新エネルギー車全体の拡大にとどまらず、市場の中心がBEVに移るとの見立てだ。

足元の販売動向もこうした見方を裏付ける。中国の自動車市場では、先月のプラグイン車販売比率がすでに63%に達した。過半を大きく上回っており、今後5年以内に90%を超える可能性があるという。

中国は世界最大の自動車市場でもある。昨年の中国の自動車販売台数は3435万台と、世界全体の9647万台の約35.6%を占めた。中国市場の構造変化が、世界の自動車産業全体に大きな影響を及ぼすとの見方につながる。

NIOは、こうした転換の背景として技術進化を挙げる。リ氏は、BEVのフルスタック技術に加え、充電インフラ、電池交換システム、エネルギー供給体制の高度化が、電気自動車の普及を押し上げていると説明した。

NIOは現在、BEV専業の販売戦略を維持している。中国の完成車メーカー各社がPHEVのラインアップ拡充を進める中でも、同社は充電網とバッテリー交換インフラを基盤に、BEVの競争力を高める方針だ。

製品面でも競争力強化を進めている。NIO傘下ブランドOnvoの初モデル「Onvo L60」は、昨年9月の発売以降、累計納車台数が10万台を超えた。

今月初めには改良モデルも公開した。新型L60は従来モデル比で約7%値下げし、Pro、Max+、Ultra+の3トリムを設定する。通常の販売価格は19万2800元からで、バッテリー利用料を切り離すBaaS(Battery as a Service)を利用した場合の開始価格は13万5800元となる。

最大の変更点は、自動運転向け半導体の刷新だ。NIOは自社開発の5ナノメートル車載スマートドライビングチップ「Shenji NX9031」をMax+とUltra+に搭載した。同チップはNIOのワールドモデルアーキテクチャと組み合わせ、目的地までの案内に連動した運転支援機能を支えるとしている。

NIOはあわせて、年次イベント「NIO Day 2026」の開催地選定手続きも始めた。各都市のオーナークラブが候補地を提案し、審査を経て最終候補3都市を選定。その後、コミュニティメンバーの投票で開催地を決める計画だ。

候補都市には、直近8年間にNIO Dayを開催していないことが条件となる。さらに、2万5000平方メートル以上の屋外スペースや、8000人以上を収容できる会場など、一定の基準を満たす必要がある。

今回の発表では、市場見通しに加え、NIOの中長期戦略も示された。BEVの普及拡大を前提に、バッテリー交換インフラと自社開発半導体を中核競争力に据える姿勢を明確にした格好だ。世界最大の自動車市場で電動化が想定以上のペースで進めば、グローバル完成車メーカーの戦略にも影響を与えそうだ。

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