写真=Strategy

Strategyのビットコイン買い増し戦略に逆風が強まっている。ビットコイン価格の下落で含み損が130億ドル(約1兆9500億円)を超え、新株発行を通じた資金調達にも制約が生じているためだ。手元流動性にも限りがあり、市場では同社の財務余力を懸念する見方が広がっている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、マイケル・セイラー氏は28日(現地時間)、週次集計を前にX(旧Twitter)に同社の保有状況を示すチャートを投稿し、「We’re gonna need more charts(もっと多くのチャートが必要になる)」と書き込んだ。

ただ、市場ではこれを新たな買い増しシグナルというより、財務面の圧力をにじませる発信と受け止める向きが強い。

同社の保有量は84万7363BTC。平均取得単価は1BTC当たり7万5653ドルで、ビットコインが6万ドル前後で推移するなか、含み損は130億ドル(約1兆9500億円)を超えた。

これに伴い、同社の時価総額は290億ドル(約4兆3500億円)まで低下した。保有ビットコインの価値を43%下回る水準だ。

問題は含み損そのものにとどまらない。Strategyは、時価総額が保有ビットコイン価値を少なくとも22%上回る場合に限り、新株発行を通じて暗号資産を追加購入できる条件となっている。

この基準はmNAV 1.22倍に相当するが、足元では0.99倍まで低下した。この状態で新株を発行すれば既存株主の希薄化が進む一方、調達資金に対する買い増し効果は薄れる。このため、経営陣は追加購入を見送りやすい状況に置かれている。

手元資金にも余裕はない。優先株STRCは額面を4分の1下回る74.57ドルまで下落した。

現金同等物は14億ドル(約2100億円)あるが、年間の義務的支出は12億ドル(約1800億円)に上る。配当支払いを賄える期間は14カ月程度にとどまり、市場で追加資金調達力への疑念が広がる背景となっている。

こうしたなか、機関投資家からの圧力も強まっている。Grayscale Researchの責任者、ザック・パンドル氏は、Strategyが短期債務への対応のため、少なくとも30億ドル(約4500億円)相当のビットコインを売却すべきだと主張した。

Rippleのブラッド・ガーリングハウスCEOも、セイラー氏の負債活用の手法が市場に悪影響を及ぼすと批判している。

これに対し、セイラー氏はビットコイン価格が8000ドル以上であれば、同社が清算に追い込まれることはないと主張する。ただ、市場では損益分岐点の回復は容易ではないとの見方が出ている。

取引が集中した主要価格帯は6万7098ドル、抵抗線は7万5682ドルとされ、いずれも足元の価格を上回っているためだ。

結局のところ、Strategyの最大の変数はビットコイン反発のスピードにある。同社が実際に買い増しを再開するには、価格が早期に7万5000ドル近辺まで戻る必要がある。

ビットコインが6万ドル近辺での推移にとどまる限り、セイラー氏の「もっと多くのチャートが必要になる」との投稿は、追加購入への期待よりも、縮小するドル準備と膨らむ負債負担を映すシグナルとして受け止められそうだ。

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