ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインは週末相場で6万ドル前後を推移し、当面は5万8000ドル台を維持できるかが焦点となっている。オプション満期通過後72時間の需給に加え、デレバレッジの進み具合や米国のビットコイン現物ETFの資金フローが、7月初旬の相場の方向感を左右する見通しだ。

CryptoSlateが27日付で報じたところによると、足元の下落が売り一巡に伴う一時的な下振れにとどまるのか、それとも一段安の地合いに移るのかは、オプション満期後の需給変化を見極める必要があるという。

相場の重しとなったのは、米物価指標とポジションの偏りだ。5月のコア個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.4%と、米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回った。

市場が特に意識したのは、26日に迎えたビットコインオプションの満期だ。Deribitベースでは106億ドル超のオプションが満期を迎え、未決済建玉の約80%がアウト・オブ・ザ・マネーとなった。最大損失価格(Max Pain)も7万ドル台前半にあり、現値との開きが大きかった。

なかでも、権利行使価格6万ドルのプットオプションには、満期前の時点で約4億5000万ドルの未決済建玉が集中していた。ビットコインが今週を通じて6万ドル近辺でもみ合った背景の一つとみられている。

満期通過後は、こうした上値の重さがいったん和らぎ、相場が新たな価格水準を探りやすくなるとの見方も出ている。

下落局面ではレバレッジの巻き戻しも進んだ。ビットコインが6万ドルを下回った後の24時間で、暗号資産先物市場では約10億ドル(約1500億円)の清算が発生し、ロングポジションが大きく削られた。

Bitget Walletのリサーチアナリスト、レイシー・ジャン氏は、積み上がっていたロングは相当程度整理されたとの見方を示した。足元の値動き以上に、市場構造そのものは整理が進んでいると評価している。

資金はアルトコイン全体に広がるのではなく、ビットコインとイーサリアムに相対的に集まっている。CoinGeckoのリアルタイムデータでは、ビットコインのドミナンスは55%前後を維持する一方、中小型アルトコインにはより強い売り圧力がかかった。

ジャン氏は、こうした動きを資金が相対的に質の高い資産へ再び集中する過程と位置付けた。過去にも同様のパターンは、相場が持ち直す局面に近い場面で見られたとしている。

もう一つの重要な変数が、ビットコイン現物ETFの資金フローだ。24日と25日の2日間で、米国のビットコイン現物ETFからは11億ドル超の資金流出が発生した。

こうした流出は、米国取引時間中の断続的な売り圧力として作用し、解約に伴う現物供給の増加につながった。

目先の下値メドも比較的明確になっている。直近の場中安値は5万8189ドル、リアルタイムベースの安値は5万8319ドルで、5万8000〜5万8300ドルが当面のサポートとして意識されている。

このゾーンを明確に割り込めば、売りがなお一巡していないシグナルとなる可能性がある。一方、5万8000ドル台を維持できれば、6万ドル回復を試す余地が広がる。

戻りの目安は6万600〜6万1000ドル近辺だ。これは直近の場中高値である6万621ドル前後と重なる水準でもある。

このレンジを上抜ければ、単なる下ヒゲを伴う自律反発ではなく、実需の買いが入っている可能性を示す。その先では、6万2000ドルを回復できるかが次の焦点となる。

市場では、ビットコインが再び6万2000ドルを上回れば、今回の週末の下落は従来のレンジ下限割れではなく、一時的な下振れだったと捉え直すことができるとの見方が出ている。

逆に弱気シナリオでは、5万8000ドルを割り込んだ後、週末を通じて同水準を下回ったまま推移するかがポイントになる。その場合、直近の急落は一時的な売られ過ぎではなく、より低い価格帯を市場が受け入れ始めたサインと解釈されやすい。

次の下値支持帯としては、5万3000〜5万4000ドル台が意識される。ジャン氏が触れた清算も、市場構造の整理完了ではなく、追加的なデレバレッジの入り口にすぎなかったことになる。

市場の焦点は、29日のETF取引再開後の資金フローに移る。オプション満期後にETFからの流出が落ち着き、ボラティリティも低下すれば、ビットコインが市場予想を上回る戻りを見せる可能性がある。

一方で、解約が再び膨らみ、満期通過後のポジションがショートに傾けば、7月第1週は軟調な地合いで始まる公算が大きい。7月初旬の方向感は、マクロ指標そのものよりも、満期後72時間における現物の資金フロー、オンチェーンでの買い集積、そしてポジション再編の進み方に左右されそうだ。

キーワード

#ビットコイン #暗号資産 #現物ETF #オプション #Deribit #イーサリアム
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.