XRPが1ドル近辺まで下落し、デリバティブ市場の縮小と損失確定売りが同時に進んでいる。ロングポジションの清算や未決済建玉の減少が目立つ一方、反発基調を支えるほどの現物買いは確認されておらず、市場では1ドル近辺の下値支持力が試されている。
ブロックチェーンメディアのCryptoSlateによると、XRPは27日に1.02ドルまで下落し、2月以来の安値を付けた。
その後いったん持ち直したものの、市場の警戒感はなお強い。今回は単なる価格調整というより、レバレッジの清算、デリバティブ取引の縮小、損失確定売りの拡大が同時に進む局面とみられている。
なかでも1ドルは、ここ数カ月の下落を経て、市場で下値支持を試す重要な節目として意識されている。
影響はまずデリバティブ市場に表れた。XRPが25日に1.07ドル近辺まで下げた局面では、約900万ドル(約14億円)のロングポジションが清算された。2月5日以降で最大の日次損失だったという。
Binanceでは、その約半分に当たる約450万ドル(約6億7500万円)のXRPロングが清算された。
これを受け、未決済建玉(OI)も急速に縮小した。BinanceのXRP未決済建玉は約2億500万ドル(約307億5000万円)まで減少し、3月22日以来の低水準となった。
Bybitでも約1億8500万ドル(約277億5000万円)まで減少した。主要2取引所で同時に建玉が縮小したことで、自発的なポジション圧縮に加え、清算に伴う市場離脱も進んだことがうかがえる。
取引の過熱感も急速にしぼんだ。追跡対象の取引所全体でみたXRPの未決済建玉は、約23億4000万ドル(約3510億円)に縮小した。
先物取引高は約28億4000万ドル(約4260億円)で、前年同時期の300億ドル超から9割超減少した。
損失確定も加速している。Glassnodeによると、XRPの90日移動平均ベースの損益比率は0.33まで低下し、2022年8月以降で最低となった。
これは、利益1に対して損失が約3の比率で取引されていることを示す。利益確定よりも損失を受け入れた売却が増え、長期下落に耐えてきた投資家の投げ売り色が強まっているとの見方がある。
もっとも、こうした清算が直ちに反発のシグナルになるとは限らない。脆弱なレバレッジポジションが整理されれば連鎖清算のリスクは低下し得るが、現物買いが伴わなければ1ドル近辺の下値を支える力は弱まりかねない。
反発局面では、高値圏で買った投資家が損益分岐点近辺で戻り売りを出す可能性も残る。
リスク当たりの収益性も低調だ。Binance基準のXRPの30日シャープレシオはマイナス0.29まで低下し、シャープZスコアは約マイナス1.57、7日シャープモメンタムも約マイナス0.09だった。
足元の反発はトレンドを変えるほど強くはなく、清算や建玉整理を進めたトレーダーが再びポジションを積み増すことに慎重になりやすいことを示す指標とされる。
一方、一部のデリバティブ指標は過熱感が一定程度解消されたことを示している。BinanceにおけるXRPの無期限先物と現物の乖離は約0.51、30日Zスコアは約0.17だった。
無期限先物の比重はなお大きいものの、直近1カ月平均と比べて偏りは極端ではないという。急激な需給の歪みだけを理由に新たな大規模清算が起きる可能性は低下したが、相場の回復を支える現物需要が確認されたわけではない。
XRPの弱さは、暗号資産市場全体の下落とも連動している。Bitcoinは26日に一時5万8100ドル(約871万5000円)まで下落した後、5万9000ドル(約885万円)近辺まで持ち直した。
Ethereumは1550ドル(約23万2500円)近辺まで下落し、3取引日続落となった。暗号資産の時価総額合計も、Bitcoinの下落と歩調を合わせて2兆ドルを下回った。
市場全体では値下がり銘柄の広がりも強まっている。CryptoRankの集計では、ステーブルコインを除く85銘柄のうち、6月に入って87%が下落し、上昇は13%にとどまった。
平均リターンはマイナス8.6%、中央値はマイナス12.3%だった。第2四半期に入ってから主要な非ステーブルコイン10銘柄でプラス収益を確保したのは、HyperliquidのHYPEとTronのTRXの2銘柄だけだった。
こうした地合いでは、他の暗号資産からXRPへ資金が循環的に流入する余地も限られる。市場全体が弱い局面では、急落した大型トークンを押し目買いするより、現金同等資産の確保を優先する動きが強まりやすい。
XRPは短期的に清算圧力が和らいだとしても、1ドル近辺を支える現物買いが実際に入るかどうかが、引き続き最大の焦点となる。