予測市場で、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の一段安を見込むシナリオが優勢になっている。BTCは8万ドル回復より先に5万5000ドル、ETHは3000ドル回復より先に1500ドルを付けるとの見方が強まっており、背景にはStrategy株とSTRCを巡る資金調達不安がある。
米ブロックチェーンメディアのDecryptが25日(現地時間)に報じたところによると、予測市場ではBTCが8万ドルに戻す前に5万5000ドルを先に付ける確率を77%とみている。ETHについても、3000ドル回復より1500ドル下落が先行するとの見方が優勢で、その確率は88%に達した。
足元の値動きもこうした見方を裏付けている。BTCは一時5万9511ドルまで下落し、24時間で約1%、直近1カ月では約23%下げた。場面によっては5万8000ドル近辺まで売られ、昨年以降の安値水準を付けた。
ETHも軟調に推移した。価格は1576ドルまで下落し、24時間で2.6%、直近1カ月では25%超下げた。現在値は、予測市場が重要な節目とみる1500ドルを5%強上回る水準にとどまっている。
市場の不安は暗号資産以外にも広がっている。世界最大のビットコイン保有上場企業とされるStrategyの株価はこの日、一時約7%下落し、88ドル前後で推移した。直近1カ月の下落率は45%に達する。
同社の優先株型商品のSTRCも、この1カ月で約22%下落した。取引時間中には73.62ドルまで下げ、過去最安値を更新した。Bitwiseの最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン氏は、足元の市場で最も重要な変数としてSTRCを挙げた。同氏は「いまやSTRCがビットコインを振り回している」と述べ、マクロ要因よりもSTRCの価格動向に市場の関心が集まっていると説明した。
市場では、STRCの下落が続けば、Strategyが資金調達圧力に直面し、保有するビットコインの売却を迫られる可能性があるとの懸念が出ている。いわゆる「デススパイラル(death spiral)」への警戒が、投資家心理を冷やしているとの見方だ。
このため投資家の関心は、Strategyが現金確保策を通じて配当負担を和らげ、流動性を強化できるかに集まっている。
ETHについては、個別の悪材料よりも市場全体のリスク回避姿勢の影響が大きいとの見方もある。ホーガン氏は「イーサリアムは事実上、巻き添えを食っている」と述べ、BTCとStrategyを巡る不安がETHにも波及していると指摘した。
長期見通しも楽観できない。予測市場Kalshiでは、年内にBTCが4万ドルを下回る確率を36%、ETHが1000ドルを割り込む確率を34%とみている。現在のBTCは昨年10月に記録した最高値12万6080ドルから約53%安く、ETHも昨年高値から68%超下落している。
市場では当面、BTCの5万5000ドルとETHの1500ドルが投資家心理を左右する重要水準になるとみられている。あわせて、STRCの下落が落ち着くか、Strategyが流動性確保策を打ち出せるかが、暗号資産市場の追加下落を左右する焦点となりそうだ。