OpenAIのChatGPTが、2026 FIFAワールドカップに合わせたサッカー専用ハブを提供している。試合展開の解説やフォーメーションの説明に加え、勝敗確率やグループリーグの突破条件まで提示するのが特徴だ。25日に行われた韓国―南アフリカ共和国戦では、韓国が0-1で敗れた後も、32強突破確率を91.2%と示した。
この専用ハブは、ChatGPTの画面で「ワールドカップ」「サッカー」などと検索するか、URL末尾に「/football」を付けることで利用できる。OpenAIによると、大会開幕前の1週間に世界の利用者が入力したワールドカップ関連のプロンプトは約1700万件に上った。単なる結果確認にとどまらず、試合の文脈まで理解したい需要が高まっているとみられる。
実際に韓国―南アフリカ共和国戦をChatGPTと見ながら質問すると、試合序盤の印象については「グループリーグ最終戦でよく見られる“計算機サッカー”で、勝ち点を踏まえてリスクを抑える運びの可能性が高い」と分析した。
フォーメーションや大会方式も即答
試合前の基本情報にも対応した。先発メンバーを尋ねると、ソン・フンミンがベンチスタートで、オ・ヒョンギュが先発することに加え、体力配分や相手守備を揺さぶる狙いがある可能性まで説明した。
大会方式の説明も詳しい。「今大会は何強か」との問いには、48カ国体制だと回答。出場国拡大の理由については、FIFAの放映権・スポンサー収入拡大戦略と、競技普及の裾野拡大という2つの背景を挙げた。
試合中継に表示された「3-4-3」の意味を尋ねると、「DF3人、MF4人、FW3人を並べるフォーメーション」と説明した。選手に関する質問にも応じ、「金髪でずっと叫んでいる選手は誰か」との問いには、キーワードからイ・ガンインを特定し、プレー中に味方へパスを要求したり、立ち位置を指示したりするタイプだと解説した。
さらに、イ・ガンインのプレー特長については、スピードそのものよりもファーストタッチや方向転換、ドリブル技術に強みがあり、現地で見ると他選手との差がより大きく感じられると分析した。
試合展開と突破条件の整理に強み
試合の流れに関する解説も行った。韓国はボール保持率で優位に立ちながらも決定機は多くなく、後半には南アフリカ共和国のプレッシングとカウンターが機能し始める理由まで説明した。
ルール面の補足も分かりやすい。アディショナルタイムが長い理由については、VAR判定や選手交代、負傷対応など、ボールが止まっていた時間を近年のワールドカップで積極的に反映するようになったためだと答えた。「計算機サッカー」とは何かとの問いには、勝利そのものよりも勝ち点や突破条件を計算しながら戦うスタイルを指すサッカーファンの表現だと整理した。
特に有用だったのは、グループリーグ突破条件の整理だ。48カ国体制への移行に伴い、各組3位にも32強進出の道が残されているため、引き分け、敗戦を含めて複数のシナリオが生じる。引き分けた場合の順位変動や、3位のワイルドカード条件についても説明し、「負けても突破できるか」との問いには、12組の3位のうち成績上位8チームが決勝トーナメントに進むと解説した。
勝敗確率の提示も行った。前半終了時点では、韓国勝利は48%、引き分けは39%、南アフリカ共和国勝利は13%とし、南アフリカ共和国が先制した後は、韓国勝利は16%、引き分けは32%、南アフリカ共和国勝利は52%へと見直した。定量分析では、ボール保持率の優位、攻撃の脅威度、守備の安定感、予想得点(xG)などを総合して試合内容を評価した。
リアルタイム性や映像認識には課題
一方で、リアルタイム性には限界もある。南アフリカ共和国の得点直後に「何が起きたのか」と尋ねると、ChatGPTは「誰がゴールを決めたのか」と逆に問い返したという。
これは、ChatGPTが中継映像を直接見ているのではなく、外部のスポーツデータを解釈しているためとみられる。OpenAIは連携先のデータソースを公表していないが、開発者が「API Football」や「Sportradar」などのスポーツデータAPIを接続してサービスを構築する形に近いという。秒単位で変化する試合状況は、データ処理の都合で中継映像より反映が遅れる可能性がある。
画像認識も限定的だ。試合中に目立った動きを見せた南アフリカ共和国選手の顔をキャプチャして名前を尋ねても、特定はできなかった。映像そのものの解析や、画面内の人物識別にはまだ対応しきれていない。
韓国は敗戦でも突破確率91.2%
試合後、「0-1で負けた場合、韓国はどうなるか」と聞くと、グループ2位での通過は厳しくなった一方、3位ワイルドカードの可能性は残るとの説明が返ってきた。他組の結果が重要になるという文脈もあわせて示した。
ChatGPTの整理によると、韓国はグループリーグを1勝2敗の勝ち点3で終え、A組3位。今大会は12組の3位のうち上位8チームも32強へ進むため、この時点で敗退が決まったわけではない。Optaに基づく見通しとして、韓国の32強突破確率は91.2%とした。
その後も「日本の戦力はどの程度か」「優勝候補はどこか」「韓国が32強に進めば日韓戦の可能性はあるか」といった質問に対し、ChatGPTは各国の戦力や対戦表を踏まえて説明し、今後の観戦ポイントも示した。