Googleは、AIモデル「Gemini 3.5 Pro」の投入時期を6月から7月に延期した。初期ユーザーのフィードバックや実運用データを追加で反映し、モデルの完成度を高める狙いがある。
米Business Insiderが6月24日(現地時間)に報じた。報道によると、Googleは初期テスト利用者の意見や実際の利用データを踏まえるため、投入スケジュールを見直したという。
Googleは5月の開発者会議「I/O」でGemini 3.5 Proの投入を予告していた。ただ、当時の時点でもモデルは準備段階にあると説明していた。スンダー・ピチャイCEOは投入時期について「来月」と述べており、当初想定していた6月公開は7月に後ろ倒しとなった。
今回の調整は、完成度の引き上げを目的としたものとみられる。関係者によると、Googleは初期ユーザーからより多くの実利用データを集める時間を確保している。Gemini 3.5 Proは現在、一部ユーザーに対してGoogleの「Antigravity」プラットフォームとAIベンチマークサイト「LMArena」を通じて提供されている。
Googleはこの過程で、モデルの適用範囲についても検証を進めている。Gemini 3.5 Proでは、長期タスクの実行能力やAIエージェントとしての処理性能の改善が見込まれており、単純な応答性能よりも、複数段階の作業処理や自動化用途に重きを置く。
あわせてGoogleは、最近投入した「Flash 3.5」に寄せられたフィードバックもGemini 3.5 Proに反映している。関係者は、Flash 3.5についてトークン消費の大きさを指摘する声があったと説明した。上位モデルの投入を遅らせてでも、コスト効率と実用性の調整を優先している構図がうかがえる。
延期期間そのものは短いが、市場投入のタイミングへの影響は無視できない。AI業界ではモデル性能競争が急速に激化しており、とりわけコーディングは企業向けAI活用の主要領域として定着しつつある。昨年のGemini 3は期待を上回る成果を上げたものの、コーディング分野ではAnthropicとOpenAIが依然として先行しているとの見方もある。
その中で、Gemini 3.5 ProはGoogleにとって次の重要な一手となる可能性が高い。Googleは新モデルで、長期課題の遂行能力やAIエージェント機能の底上げを狙う。企業向けAI需要がコーディングと自動化を軸に拡大する中、7月投入モデルが実際の性能改善につながるかが焦点となる。