ビットコインの短期保有者(STH)が、約8カ月にわたって含み損の状態にとどまっていることが分かった。平均取得単価まで価格が戻らず、短期の投資家心理の重荷となっている。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが24日に報じた。オンチェーンアナリストのダークポストはCryptoQuantのデータを基に、短期保有者の平均取得単価が約7万4800ドルで、ビットコインの市場価格はこの水準を約8カ月にわたり下回っていると指摘した。
短期保有者は、直近155日以内にビットコインを取得または移動した投資家層を指す。値動きへの反応が早く、短期的な市場センチメントを映す指標として扱われる。平均損失率は14.4%と集計された。
もっとも、損失幅は以前より縮小している。ダークポストによると、今年2月初めには短期保有者の損失率が34%を超えており、足元では改善が進んだという。
今回のサイクルでは、短期保有者の損益構造にこれまでと異なる動きも見られた。2024年3月の強気相場では、短期保有者の平均含み益は47%まで拡大した。一方、2025年10月にビットコインが過去最高値を更新した局面では、含み益は11%にとどまった。ダークポストは、同じ価格帯でも短期保有者の損益状況が大きく異なる点に注目している。
平均取得単価の低下もポイントだ。短期保有者の平均取得単価は、過去の約9万5700ドルから、足元では約7万4800ドルまで下がった。ダークポストは、下落局面で買い増しに動く投資家が増えた結果、平均単価が切り下がったとの見方を示した。相場下落の過程でも、低い価格帯での買い需要が継続して流入していたシグナルだとしている。
ただ、足元ではこの価格帯が下値支持ではなく、上値抵抗として意識されている。ダークポストは、短期保有者の平均取得単価の水準を価格が奪回できれば、相場の方向転換を示す最初のシグナルになり得ると分析した。その一方で、この水準に近づくたびに売り圧力が強まっているとも指摘した。
実際、5月10日には短期保有者が一時0.5%の含み益圏に入ったが、その流れは続かなかった。価格はすぐに押し戻され、短期保有者は再び損失圏に沈んだ。短期モメンタムの改善を確認するには、まず7万4800ドルを明確に上回れるかが重要になるとの見方だ。
この動きは、最近ビットコイン相場が反発しても、短期の買い手にとっては収益環境の回復がなお不十分であることを示している。下落局面で平均取得単価を引き下げた投資家がいたとしても、価格がその水準を上回って定着できなければ、売り圧力が再び強まる可能性がある。
市場の焦点は明確だ。短期保有者の平均取得単価である7万4800ドルが引き続き上値抵抗として機能するのか、それとも奪回されて相場反転の足がかりとなるのか。ダークポストは、この水準の奪回可否が今後のビットコインの短期トレンドを見極める重要な判断材料になるとみている。