Samsung Electronicsの次期スマートウォッチ「Galaxy Watch9」の発表が近いとの見方を背景に、米国と英国で既存モデル「Galaxy Watch8」シリーズの値下げが広がっている。Amazon Prime Day商戦とも重なり、流通各社が在庫処分を進めているもようだ。
ITメディアのTechRadarによると、値下げの対象は米英の主要市場で販売されているGalaxy Watch8シリーズ。標準モデルの「Galaxy Watch8」のほか、「Galaxy Watch8 Classic」「Galaxy Watch Ultra 2025 Edition」も含まれている。
Galaxy Watch8は、昨年の発売時にSamsung Electronicsのスマートウォッチとして大幅なデザイン刷新を打ち出したモデルと評価された。薄型化に加え、装着感の改善や手首へのフィット感を高めた新形状が特徴で、TechRadarは再設計が奏功した製品だと評している。
使い勝手の面でも評価は高い。AIベースの機能や、直感的なオペレーティングシステム、各種機能の改善が強みとして挙げられた。
一方、Galaxy Watch8 Classicは、同社スマートウォッチの象徴ともいえる回転ベゼルを継承した点が評価される半面、標準モデルに比べて厚く重いことが弱点として指摘された。
値下げ幅も大きい。米国では、BluetoothモデルのGalaxy Watch8が379.99ドルから237.49ドルへと約38%値下げされた。英国ではLTEモデルが399.99ポンドから299.99ポンドへ約25%下がり、Galaxy Watch8 Classicも449ポンドから337ポンド前後まで値下がりしている。
業界では、こうした値下げがSamsung Electronicsの新製品投入サイクルと密接に関係しているとみている。同社は例年7〜8月に開催する「Galaxy Unpacked」で、スマートフォンやスマートウォッチなど主力モバイル製品を発表してきた。
新モデルの投入後は、既存製品の公式販売チャネルでの取り扱いが段階的に縮小し、小売各社が値下げによって在庫を消化する流れが繰り返されてきたという。
今年も同様の動きになる可能性が高いとの見方が出ている。TechRadarは、今回の大規模な値下げについて「新モデル投入が近いことを示すシグナル」と位置付けた。Galaxy Watch9シリーズとともに、後継プレミアムモデル「Galaxy Watch Ultra 2」が発表される可能性も指摘されている。
もっとも、新製品を待つことが必ずしも最善とは限らないとの見方もある。Galaxy Watch8が昨年、大幅なデザイン刷新を実施しているため、Galaxy Watch9は外観変更よりも機能改善を中心とした段階的なアップグレードにとどまる可能性があるためだ。
このため、消費者にとっては定価販売となる新モデルを待つより、値引きが広がっているGalaxy Watch8を選ぶほうがコストパフォーマンスに優れるとの評価も出ている。
Samsung Electronicsは現時点で、Galaxy Watch9の具体的な仕様や発売計画を公表していない。ただ、流通各社が先行して値下げに動いていることから、新製品の発表時期が想定より近いとの観測が強まっている。