Teslaの「Model 3」が、Cars.comの「American-Made Index」で6年連続の首位となった。一方で米国のEV市場は、連邦EV税額控除の終了を受けて失速しており、Teslaがけん引してきた国内需要にも陰りが出ている。
CryptoPolitanが23日(現地時間)に報じた。車両情報を手がけるCars.comは、今年のAmerican-Made IndexでModel 3を1位に選んだ。
2位には「Model Y」が入り、Tesla勢が上位2位を占めた。3位はStellantisの「Jeep Gladiator」、4位は「Grand Cherokee」だった。Hondaは「Ridgeline」「Odyssey」「Accord」「Passport」「Acura MDX」の5車種をトップ10に送り込んだ。
今年の指数対象車種は86車種で、前年の99車種から減少した。電動車の比率も前年の30%から24%に低下し、BEVは11車種から5車種に減った。米EV市場の失速が、指数の構成にも表れた格好だ。
米国のEV市場は年初から減速が鮮明になっている。1〜3月期のEV販売台数は約21万6400台で、前年同期比27%減。新車販売全体に占めるEV比率は5.8%と、2025年7〜9月期の10.6%から大きく低下した。
背景には、7500ドル(約112万5000円)の連邦EV税額控除が第3四半期に終了したことがある。優遇措置の打ち切りで需要が急速にしぼみ、一部ブランドではEV販売が60〜70%以上減少したという。
Teslaの米国販売も前年から8%超減少した。ただ、競合各社の落ち込みがより大きかったため、市場シェアは維持した。Model 3とModel Yの2車種で、米EV販売全体の約51%を占めている。市場縮小が進む中、販売は主力車種に集中している。
米国産車ランキングでは、外資系メーカーの存在感も大きい。ランクインした車両の約3分の2は海外系メーカーの生産モデルだった。Toyotaは14車種、Hondaは13車種をランクインさせ、モデル数で米ビッグ3を上回った。
関税政策も消費者の購入判断に影響を与えている。Cars.comが5月に実施した調査では、回答者の半数近くが関税を懸念していると答えた。42%は関税の影響で米国産車を購入する可能性が高まったと回答。3分の2は、関税によって価格競争力が高まるなら米国産車の購入を検討するとし、57%は米国の雇用創出に資する車両であれば追加負担を受け入れる意向を示した。一方、45%は価格を最も重視する購入基準に挙げた。
これに対し、海外市場では異なる動きが出ている。EUでは5月のTesla販売が2万1767台となり、市場シェアは1年前の0.9%から2.3%に拡大した。中国EVメーカーのBYDも、シェアを1.1%から2.7%へ伸ばした。同期間のEU新規乗用車登録台数は95万5013台で、前年同月比3.2%増。バッテリー電気自動車の比率も15.3%から20%に上昇した。
カナダでは、中国EVメーカーの誘致に前向きな姿勢がみられる。メラニー・ジョリー産業相は最近、BYDやChery、Geely Automobileが、合弁投資の形でカナダ国内のEV生産を検討する可能性があると明らかにした。
ただ、カナダは条件として、カナダ側の優位な持分、現地労働力の活用、カナダ産部品の使用、安全なソフトウェアの適用を挙げた。この動きは、カナダ政府が今年初め、中国製EVへの追加関税を従来の100%水準から約6%へ引き下げる方針を示した政策変更とも連動している。
米国が税制優遇の縮小と需要減速に直面する一方、欧州とカナダでは販売拡大や生産誘致の動きが進んでいる。世界のEV市場の重心が徐々に移りつつあるとの見方も出ている。