管理職の3人に1人が人事評価にAIを活用していることが調査で分かった。写真=Shutterstock

職場の管理職の3人に1人が、従業員向けフィードバックの作成や人事評価の準備に人工知能(AI)を活用した経験があることが分かった。評価業務に加え、対立の仲裁や重要な面談の準備にも利用が広がっており、公正性や社内ルールの整備を課題視する声が出ている。

TechRadarが1日(現地時間)に報じたところによると、調査会社Headwayが管理職1000人を対象に実施した調査で、回答者の33%が関連業務にAIを使用したと答えた。

AIの利用は人事評価にとどまらない。回答者の31%はチーム内の対立解決に、27%は重要な面談の準備にAIを活用したと回答した。難しい面談に備え、AIで会話文を作成したり、事前にやり取りを練習したりしたとの回答も57%に上った。

一方、人事評価でのAI活用率は、1年前の同種調査を下回った。前回は管理職の41%が、評価文書のドラフト作成や修正にAIを使ったと認めていた。今回はこれを下回ったものの、依然として高い水準にある。

背景には、評価書を繰り返し作成する管理職の業務負担がある。AIを使えば作業時間を短縮できるためだ。ただ、本来は個々の実績や関係性を踏まえて行うべき繊細なフィードバックまで、自動化ツールに過度に委ねられる可能性もある。

Headwayでバーンアウト予防・回復分野を担当するタリア・マリア・トゥリキス氏は、AIは考えを整理する助けにはなり得ると説明した。その一方で、こうしたやり取り自体をAI任せにすべきではないとし、信頼や共感が求められる場面では、人が自ら書いた言葉が最も伝わると指摘した。

従業員側の懸念は、評価文書の作成に限らない。Owl Labsが世界の労働者8000人を対象に実施したハイブリッド勤務の実態調査では、58%が「勤務先がAIを活用した監視ツールを導入していると思う」と答えた。管理職による評価と労働監視の両面で、AIの存在感が強まっていることを示している。

問題は、AIにどこまで委ねるかだ。今回の調査だけでは、管理職が文法の調整や表現の修正にとどめていたのか、それとも評価文書の本文そのものをAIに生成させていたのかまでは分からない。とりわけ人事評価が年俸や報酬に直結する場合、従業員が自らの将来を左右する判断に、実質的にAIが関与していると受け止める可能性がある。

こうした状況を踏まえ、企業にはAIの利用範囲と社内基準の明確化が求められる。評価や対立解決、機微な面談の準備にまでAI活用が広がるなか、どこまでを補助ツールとして認め、どこからを管理職自身の判断と責任として残すのかを定める必要がある。

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