Zcashの価格動向。写真=Shutterstock

プライバシーコインのZcash(ZEC)が、直近高値から2割超下落した。短期的には調整局面入りの様相だが、テクニカル指標ではなお強気トレンドの余地も残る。市場では、日足終値で1233.00ドルを維持できるかが当面の分岐点として意識されている。

ブロックチェーンメディアのDecryptoによると、10月1日(現地時間)のZcashは1333.50ドルで取引され、前日比7.29%安となった。9月末に付けた1698.00ドルの高値からは21%低い水準にある。

足元の下げは、短期急騰後の利益確定売りによる調整との見方が中心だ。Zcashは480.72ドルを起点に約253%上昇した後、反落に転じた。直近の下落率だけを見れば弱含みに映るものの、それまでの上昇幅を踏まえれば異例の値動きではないと受け止められている。

相場環境も支援材料とはならなかった。ビットコインは9月30日、予想を下回る個人消費支出(PCE)物価指数の発表を受けて8万5600ドルまで上昇したが、その後は上げ幅を失った。米10年国債利回りは5.29%で取引を終え、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatchでは、10月の米連邦準備制度理事会(Fed)による利上げ確率が70%から50%未満に低下した。

需給面では、GrayscaleのZcash現物ETFが相場の変動要因として意識されている。Grayscaleは8月25日、ティッカー「ZCSH」でZcash現物ETFを上場。9月中旬までに2億3300万ドルの純流入を記録した。一方、9月30日には3025万ドルの純流出が発生し、累計ベースでは約2億6800万ドルとなった。

テクニカル面では、トレンド転換よりも調整局面との見方が優勢だ。相対力指数(RSI)は50.2と中立圏にあり、平均方向性指数(ADX)は52.0と高水準を維持している。ADXは方向性ではなくトレンドの強さを示す指標で、一般に25を上回ると明確なトレンドが出ていると解釈される。ただ、高水準の数値は直前の急騰を映した遅行性による面もあり、判断には注意が必要だ。

移動平均線はなお強気の並びを保っている。50日指数移動平均線(EMA)は200日EMAを上回っており、中長期の基調は強気とみられる。ただ、下落が長引けば両線の収れんが進み、トレンド鈍化のシグナルにつながる可能性もある。

Zcashは6月、Shielded Poolの脆弱性公表後に635ドルから日中309ドルまで急落した経緯がある。その後は1600ドルを上回る場面もあり、足元の値動きも相場崩壊というより調整とみる向きが多い。

市場では、Zcashが日足終値で1233.00ドルを下回れば、主要サポート帯を試す展開が意識されやすいとみられている。反対に1410.72ドルを回復すれば、上昇基調の再開が視野に入る。このため、当面はETFの資金フローと日足終値が重要な手掛かりとなりそうだ。

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