2017年に「スターフィールド河南」2階にオープンしたTeslaの韓国1号店。写真=聯合ニュース

電気自動車(EV)向け補助金の消化が急速に進み、年内に補助金を受けて新たにEVを購入するのは難しくなってきた。地方自治体では受け付け停止が相次ぎ、首都圏でも予算枯渇が目前に迫る。販売現場では、輸入車の一部店舗が新規契約者に対し、納車時期は来年上期を見込むよう案内しているという。

こうした状況を受け、自動車メーカーはハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)へ出荷の軸足を移している。一方、電池メーカーは北米の電力網向けエネルギー貯蔵システム(ESS)の受注拡大で対応を進めている。

業界によると、ソウルや京畿など主要自治体における2026年のEV補助金消化率は、9月下旬時点で80〜90%に達した。上期に予算執行が集中したうえ、EV転換支援金の拡大で消化ペースが一段と速まった。

表面上は一部予算が残っているように見えても、補助金は契約順ではなく、車両の納車・登録順で交付される。このため、現場ではすでに「実質的には枯渇状態」との見方が強い。

販売現場では、補助金の適用時期がすでに来年にずれ込みつつある。Teslaの店舗関係者は「今から申請しても納車は来年上期になる」と説明した。補助金は納車後の手続きとなるため、足元で契約しても今年度予算の対象になりにくい。

Volkswagenの店舗関係者も、補助金申請はすでにほぼ完了しているとの認識を示した。追加の更正予算で積み増した分も、実質的には使い切ったとの説明だ。仮に名目上の残額があっても、4Qに新たにEVを購入する消費者に回る余地は乏しい。

補助金の空白は、4Qの販売にも影響を及ぼしている。4Q納車予定の車両は、契約済みでも補助金を受けられるか不透明になっており、購入をキャンセルする動きが出ているという。来年の予算公示まで納車を先送りするケースもあるようだ。

新規契約の時期が来年にずれ込み、既存契約にも揺らぎが生じるなか、4QのEV市場では需要の空白が広がっている。

こうした動きは地方で先行している。業界によれば、ソウルの補助金残余率は14〜15%水準だが、江原、忠北、全南、慶南、済州などでは、多くの市・郡で補助金を使い切り、受け付けが事実上止まった。

地方の市・郡はもともとの配分枠が数百台規模と小さい。そこに転換支援金の申請が集中し、3Q初めまでに予算が底を突いた。地方では国庫補助に対する自治体補助の比率が大きく、自治体財源が尽きれば、消費者の実質購入負担はさらに重くなる。販売の空白に直面する自動車メーカーは、出荷車種の見直しを迫られている。

各社は、底堅い需要が見込めるHEVとPHEVに出荷を集中している。KiaもHEV比率を引き上げている。

Shinhan Investment Corpによると、Kiaのハイブリッド販売比率は2Qの21%から4Qには24%へ上昇する見通しだ。国内の環境対応車向け税制優遇と補助金が年末に向けて縮小することに加え、米国でハイブリッド供給が増えることを背景に挙げた。

同社は、EVの採算性は内燃機関車やHEVに比べて低いとみている。このため、EV出荷が減れば、搭載電池の受注も連動して減少する構図になる。

電池業界は、減少分を北米市場で補う構えだ。国内電池メーカーは、米国など北米の電力網向け大容量ESSパックの供給契約を増やし、リン酸鉄リチウム(LFP)ベースのESS専用ラインへの切り替えを進めている。

完成車メーカーのHEVシフトと電池メーカーのESS受注拡大は、いずれも補助金空白期をしのぐための対応とみられる。販売店での新規契約が来年上期納車を前提としている以上、こうした対応は来年の補助金執行が本格化するまで続く可能性が高い。

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