Elice Groupは9月30日、IPOを機に「韓国型ネオクラウド」構想を本格化し、グローバルAIインフラ市場の開拓を進める方針を明らかにした。国内で確保した計130MWの受電基盤をAI計算資源へ転換し、モジュール型AIデータセンターと自社クラウドソフトウェアを組み合わせて収益性を高める。海外顧客向けの販売も視野に入れる。
同日、ソウル・汝矣島のCCMMビルで開いたIPO記者懇談会で、キム・ジェウォン代表は「国内で確保した受電をAI計算資源へ迅速に転換し、これを基盤にグローバルのネオクラウド市場へ事業を広げる」と述べた。
同社は首都圏10MW、西南圏40MW、東南圏80MWの計130MW規模の受電基盤を確保している。首都圏における電力需給やデータセンター許認可の制約を避けつつ、電力余力のある地域にモジュール型AIデータセンター「AI PMDC」を構築し、最新GPUを配置してAI計算資源に転換する考えだ。今後は顧客需要に応じ、地域別インフラを追加拡充する計画としている。
事業モデルの中核は、データセンターを低コストかつ短期間で立ち上げ、投資回収を早める点にある。会社によると、AI PMDCは従来型データセンターの構築に通常24〜36カ月かかるのに対し、約3カ月で整備できる。1MW当たりの総保有コスト(TCO)も約40%削減できるとしている。
あわせて、自社開発のGPU仮想化ソフトウェア「ECI」でGPUの稼働率引き上げを図る。ECIはGPU仮想化やクラスタリング、資源配分の最適化を通じて遊休資源を減らす仕組みだ。キム代表は、低い構築コスト、高いGPU稼働率、迅速な投資回収を、グローバル市場で戦う上での競争力として挙げた。
競合との差別化要因としては、クラウドとソフトウェアの技術力を強調した。Elice Groupは2015年の創業当初、AI教育実習向けに自社クラウドを開発し、その後GPUクラウドやインフラ分野へと技術領域を広げてきたという。キム代表は「当社は計算機科学から出発した会社で、コアはソフトウェアにある」とした上で、「顧客需要に応じて、ECIからAI PMDCを組み合わせたインフラまで、カスタムで提供できる」と語った。
業績面でもAIクラウド事業の伸びが目立つ。2023年に全売上高の7%だったクラウド事業の比率は、2026年上期には76%まで上昇した。2026年上期の連結売上高は344億ウォンで、前年同期比202.2%増。営業利益は103億ウォンで、営業利益率は30.1%だった。EBITDAは232億ウォンと前年同期の11.3倍、EBITDAマージンは67.5%となった。
国内で確保したAI計算資源を海外に販売する事業も進める。国内の受電基盤をAI計算資源に転換した上で、海外顧客がリモートでGPU資源を利用する形態を想定しており、同社は複数の海外顧客と協議を進めている。会社側は、早ければ2027年上期にも関連売上が発生すると見込む。中長期的には、各国の電力事情やセキュリティ、規制環境に合わせてAI PMDC自体を現地供給するソブリンAI市場も狙う。
今回のIPOでは、222万2000株を全量新株で公募する。想定公募価格は7万400〜9万500ウォンで、想定調達額は1564億〜2011億ウォン。想定時価総額は7821億〜1兆54億ウォンを見込む。10月7〜8日に一般募集を実施し、同月中のKOSDAQ上場を目指す。主幹事はMirae Asset Securities、共同幹事はSamsung Securities。