市場分析家のLark Davis氏は、暗号資産「ADA」が再び1ドル台を回復し、長期的には1.50〜2ドルまで上昇する可能性があるとの見方を示した。根拠として挙げたのは、Cardanoコミュニティの強い結束力と市場での存在感だ。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが29日(現地時間)に報じた。Davis氏は、Cardanoネットワークの利用状況とは切り分けて、ADAの価格はコミュニティの支持基盤や継続的な関心によって大きく動く可能性があるとみている。
ADAの足元の価格は約0.242ドル。この水準から1ドルに到達するには約313%、1.50ドルには約520%、2ドルには約726%の上昇が必要になる。
流通量を約367億8000万枚とすると、時価総額は1ドルで約368億ドル、1.50ドルで約552億ドル、2ドルで約736億ドルに達する計算だ。
もっとも、Davis氏はこれらの価格水準に到達する時期については明示していない。特定のチャートシグナルやテクニカル指標よりも、コミュニティの結束と継続的な注目度を重視する立場を示している。
また、ネットワーク利用の強弱とトークン価格を常に同じ方向で捉える必要はないとの認識も示した。
今回の強気見通しは、同氏が最近まで示してきたCardanoへの批判的な評価とは対照的だ。Davis氏は今年に入り、取引量や手数料、分散型金融(DeFi)の採用状況、ガバナンス、競合ネットワークと比べた活動の弱さなどを繰り返し問題視してきた。
6月には、利用実態に基づくCardanoの適正価値は5000万〜1億ドル規模にとどまると主張。7月にはSolanaと比較し、取引件数やアプリ手数料の差を論点として取り上げた。
その際、他の主要チェーンが1日当たり約1000万件の取引を処理する一方、Cardanoは約3万件規模にとどまると指摘。Cardano基盤のアプリケーション手数料も1日数千ドル程度なのに対し、Solanaは数百万ドル規模を記録していると述べた。
9月には、Cardanoのエコシステムを「ゴーストタウン」と表現し、8年間の開発がなぜより強いオンチェーン活動につながらなかったのか疑問を呈していた。
それでもDavis氏は、市場心理とコミュニティの力がADAの価格を大きく押し動かし得る点については一貫して認めてきた。8月には、スマートコントラクト稼働前のCardanoが一時、時価総額約1000億ドルに達した事例を挙げ、ネットワーク利用だけで価格を説明するのは難しいとの見方を示している。
Davis氏は2021年にも、Cardanoコミュニティを同プロジェクト最大の強みの一つと評価した。2022年1月には、資金流入は乏しい一方で、個人投資家からの支持は例外的に強い水準にあると指摘したという。
また当時、2021年に保有していたADAを高い収益で売却したことを明かし、再購入の可能性にも言及していた。
その後の評価は時期によって揺れている。2024年3月には、当時の市場サイクルの中でCardanoが過小評価されている可能性に言及した一方、2026年に入ってからはオンチェーン活動の弱さや競争力不足への批判を強めていた。
今回の1〜2ドルという見通しは、ネットワーク指標の改善を前提にした分析というより、価格下落後も関心を維持している大規模コミュニティがADAの相場を再び押し上げる可能性に着目したものといえる。ADAは2021年9月に付けた過去最高値の3.10ドルから、なお92%超下落した水準にある。
そのため、Davis氏が示した価格帯は短期目標というより、長期的な回復シナリオとして受け止めるのが妥当だ。