AIネイティブの金融インテリジェンス企業LinqAlphaは9月30日、金融機関の自社AIエージェント向けにデータを直接提供する「金融データAIマーケットプレイス」を開設したと発表した。金融データのホールセール事業を本格化する。
同社によると、証券会社や資産運用会社で自社AIエージェントの構築が進むなか、金融データに求められる要件も変化している。従来はデータを幅広く確保することが重視されていたが、AI導入後は、膨大なデータを実務で使える形に精製・構造化し、信頼できる出所情報と結び付ける工程の重要性が高まっているという。
LinqAlphaの「AIレディデータ」は、開示資料、アーニングコール、IR資料などの金融データを、AIが即座に検索・分析できる形式に加工して提供する。各データには原文と出所情報をひも付けており、AIが生成した回答の根拠を確認できる点を特徴とする。
これにより金融機関は、データ収集や精製、インデクシングの基盤を個別に構築しなくても、必要なデータを自社AIエージェントや大規模言語モデル(LLM)のパイプラインに接続できる。必要なデータや項目だけを選択して供給を受けられるため、自社AIサービスの構築にも活用できるとしている。
同社によると、大手証券会社の1社は2026年下期に、LinqAlphaのライブ文字起こし機能を個人向けサービスに導入する予定だ。別の証券会社では、アーニング分析データを自社の投資コンテンツの制作に活用しているという。
LinqAlphaは現在、主要証券会社複数社と、自社AIエージェント向けデータ供給に関する協議を進めている。
チェ・ホジュン共同代表は「金融機関が自社AIエージェントの構築を本格化するなか、重要なのはどれだけ多くのデータを保有しているかではなく、AIが信頼できるデータを実務にどれだけ速く正確につなげられるかだ」とコメントした。そのうえで、「金融機関のAI転換におけるデータ活用のラストマイルを解決することが、LinqAlphaが注力する領域だ」と述べた。