Ethereum共同創設者のビタリク・ブテリン氏は27日、Ethereumの長期的な進化の方向性として、同ネットワークを「暗号学的世界コンピュータ」へ発展させる構想を示した。Hegotaアップグレード後は、FOCILやEIP-8288、Lean合意などを通じて、検閲耐性や安全性、プライバシーを強化していくとしている。
ブロックチェーン専門メディアのU.Todayによると、ブテリン氏はEthereumが単なるブロックチェーンの枠を超え、現代暗号学を中核に取り込む新たな段階に入っていると説明した。今後数年で、ネットワークの仕組みそのものに変化を及ぼし得る転換点にあるとの認識も示した。
ブテリン氏は、Ethereumの将来像として「暗号学的世界コンピュータ」を提示した。ブロックチェーン技術と現代暗号学を組み合わせたハイブリッド型のシステムへ進化させる考えだ。
狙いは、単なる性能向上にとどまらない。セキュリティやプライバシー、効率性を高めることで、Ethereum上で動くアプリケーションの裾野を広げ、より高度な用途に対応できる基盤を整えることにある。
こうした変化は、Hegotaアップグレード後に本格化する見通しだ。長期ロードマップに盛り込まれた複数の提案は、ネットワーク構造そのものに影響を及ぼす内容になるとしている。
ブテリン氏が挙げた主な項目は、FOCIL、EIP-8288、Lean合意、改良されたステート管理、形式検証などだ。
このうちFOCILは、ブロックビルダーによる取引検閲を抑えることに主眼を置く。特定の参加者への依存を下げ、ユーザーがより安定してEthereumネットワークを利用できるようにする狙いがある。
取引の検閲耐性強化は、Ethereumの構造改革における重要な柱の1つと位置付けられる。FOCILが導入されれば、ブロックビルダーが取引を恣意的に左右することは、これまで以上に難しくなる可能性がある。
一方、別のアップグレードでは、ネットワークの安全性と合意形成の安定性向上に焦点を当てる。Lean合意やステート管理の改善、形式検証を通じて、取引処理を支える合意プロセスの信頼性を高め、全体の安全性向上を目指す。
Ethereumの長期的な変化は、ブロックチェーンの性能改善にとどまらず、暗号学を基盤インフラとして取り込む方向で進んでいる。ブテリン氏が「暗号学的世界コンピュータ」と表現したのは、こうした方向性を端的に示したものといえる。今後はHegota後のロードマップに沿って、検閲耐性や安全性、プライバシーの強化に向けた構造改革が進む見通しだ。