ドナルド・トランプ米大統領が掲げるAI規制の抑制路線を巡り、保守活動家や共和党関係者の反発が強まっている。ホワイトハウスがAI開発の加速を優先する一方、保守派の一部は先端AIの安全性やサイバーセキュリティ上のリスクに懸念を示しており、党内対立が表面化してきた。
25日付のCryptopolitanによると、トランプ氏は、新たなAI規制が産業発展や中国との競争を遅らせる恐れがあるとして、規制抑制の必要性を一貫して主張してきた。14日には「AIに必要なガードレールは、強く賢い大統領だ」と述べた。
一方で21日には、「必要であれば司法省など政府機関がAIに対処できる」として、既存の法執行手段を活用する可能性にも言及した。
こうした中、保守陣営の反発はすでに表面化している。5月には、スティーブ・バノン氏(Steve Bannon)らトランプ支持者や保守活動家約60人が、高性能なAIモデルの公開前に政府による試験・承認制度を整備するよう求める書簡をホワイトハウスに送った。
書簡では、先端AIがサイバー攻撃や国家安全保障上の脅威に悪用される可能性を主なリスクとして挙げた。
データセンター拡大を巡る地域レベルの対立も、新たな争点となっている。グレッグ・アボット氏(Greg Abbott)テキサス州知事は、電力網や水資源への影響を精査するため、データセンター関連の許認可停止を指示した。
テキサス州では、データセンターによる電力網への接続申請が474GW超に上っており、州の過去最大電力需要の5倍超に当たるという。ロン・デサンティス氏(Ron DeSantis)フロリダ州知事も、AIとデータセンターを対象とした追加規制の強化を訴えている。
ウェストバージニア州でも、40億ドル規模のデータセンター計画を巡り、騒音や水資源、地域税収などを理由に住民の反発が続いている。AI産業の成長、電力・環境負荷、先端モデルの安全性を巡る複数の論点が重なり、米国のAI規制は共和党内でも新たな政策争点として浮上している。