香港の金融当局は、決済など市場機能のオンチェーン化と暗号資産規制の整備を並行して進める。写真=Shutterstock

香港が、トークン化金融の基盤整備とデジタル資産規制の見直しを同時に進めている。香港金融管理局(HKMA)は、中央銀行マネーを活用した24時間のオンチェーン決済環境の構築を急ぎ、香港証券先物委員会(SFC)も暗号資産の認可制度やトークン化投資商品の規制整備を進める。国際的なデジタル金融ハブとしての競争力を高める狙いがある。

Cryptopolitanと香港政府の資料によると、HKMAは「プロジェクト・アンサンブル」の実証基盤である「EnsembleTX」を年内に拡充し、トークン化された中央銀行マネーを使った24時間決済を支える計画だ。EnsembleTXでは、トークン化した香港ドル預金とデジタル資産を用い、実需に即した取引・決済の実証を進めている。

SFCも、初の5カ年計画と2026年の政策演説を踏まえた実行計画を公表した。暗号資産事業者向けの認可制度を補完する具体的な規制指針を整えるほか、金のトークン化商品を含む実物資産ベースの投資商品の発行・取引ルールも見直す。あわせて、デジタル資産のカストディーやマネーロンダリング対策の監督を強化し、「CrypTech」システムと人工知能(AI)を市場監視に活用する方針だ。

ステーブルコイン制度も実装段階に入りつつある。HKMAは4月、HSBC、Standard Chartered、HKT、Animoca Brandsの合弁会社であるAnchorpoint Financialに、初の発行者ライセンスを付与した。Anchorpointは、香港ドルに1対1で連動するHKDAPを限定的な機関顧客向けに試験運用しており、正式提供は年末ごろを見込む。

香港政府は、「同一業務・同一リスク・同一規制」の原則の下、中央銀行デジタル通貨、ステーブルコイン、トークン化預金・債券・証券を既存の金融システムに段階的に組み込む方針を示している。決済インフラと規制の両面を整え、トークン化金融の実利用拡大につなげる考えだ。

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