ブラジルが、暗号資産の採用状況を示すChainalysisの改定指数で世界首位となった。世界の暗号資産市場が縮小するなかでも、ラテンアメリカでは取引や利用が拡大しており、地域ごとの温度差が浮き彫りになった。
ブロックチェーンメディアのThe Defiantが23日(現地時間)に報じた。Chainalysisが公表した国別の暗号資産採用指数では、ブラジルが1位。2位は米国、3位はナイジェリア、4位は日本、5位は韓国だった。
同指数は、暗号資産サービスを通じた資金フロー、国内のP2P活動、国境をまたぐ資金フロー、オンチェーン保有残高の4項目を基に算出した。ブラジルは個別項目で首位こそなかったものの、国境をまたぐ資金フローで2位、サービス経由の資金フローとP2P活動でそれぞれ3位、オンチェーン保有残高で4位に入り、総合首位となった。
地域別では、ラテンアメリカの強さが目立つ。Chainalysisによると、同地域の暗号資産活動規模は5938億ドルで、世界全体の暗号資産市場活動が同期間に1.6%減少したのに対し、ラテンアメリカは9.8%増加した。
市場全体が軟調だった局面でも、オンチェーン活動の落ち込みは限定的だった。Chainalysisは、暗号資産の時価総額が約50%減少する間も、オンチェーン経済活動の規模は9兆5000億ドルから9兆4000億ドルへ小幅な減少にとどまったと説明した。価格下落に比べ、実際のネットワーク利用や取引活動は底堅さを保った格好だ。
ブラジルの首位も、特定分野の急伸というより、複数指標で高水準の活動を維持したことが背景にあるとみられる。国境をまたぐ資金フローやP2P取引、暗号資産サービスの利用で上位に入り、総合順位を押し上げた。
今回の結果は、暗号資産市場の低迷が地域一律で進んでいるわけではないことを示している。もっとも、この指数だけでブラジルやラテンアメリカの成長要因を特定するのは難しい。Chainalysisの順位はオンチェーン活動と資金フローに基づく一方、各国の規制変化や資金流入の背景までを直接示すものではないためだ。足元の伸びが一時的なものにとどまるのか、それとも地域における暗号資産利用の構造的な拡大につながるのかが焦点となる。