米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、金融市場のトークン化やオンチェーン金融の拡大、24時間取引の進展を踏まえ、既存の規制枠組みの見直しと市場インフラの整備を進める必要があるとの考えを示した。
CoinPostは、セリグ委員長が22日、ニューヨーク連邦準備銀行が主催した「2026年米国債市場カンファレンス」の基調講演で、ブロックチェーンやAIの導入拡大を念頭に、24時間取引体制への備えも急ぐべきだと述べたと報じた。
同委員長は、トークン化、オンチェーン金融、24時間取引を、今後の金融市場の構造を変える主要な潮流だと位置付けた。とりわけ実物資産(RWA)のトークン化については重要な技術革新の1つとし、質の高いトークン化担保が流動性運用の柔軟性を高め、市場の強靱性向上につながる可能性があると指摘した。
また、清算機関、仲介業者、最終利用者などの関係者の間でほぼ即時に決済が行われ、担保がリアルタイムで移転できるようになれば、幅広い資産クラスに構造的な変化が及ぶとの見方を示した。
CFTCはステーブルコインの担保活用も広げている。2026年2月6日には、スタッフによるノーアクションレターNo.26-05を通じ、連邦法に基づく信託銀行が発行した一部の決済用ステーブルコインを、証拠金として利用可能なトークン化担保の対象に加えた。3月20日には、トークン化担保の活用に関するFAQも公表している。
24時間取引については、資産クラスごとに異なる対応を取る方針も示した。CFTCは2026年5月29日、24時間365日の取引・清算・決済に関するスタッフ勧告No.26-16を公表。6月25日には、標準先物契約の24時間取引拡大と、現物受け渡し型または貯蔵可能なエネルギー商品を参照する無期限先物に関する意見募集を始めた。
セリグ委員長は、暗号資産や貴金属は現時点で24時間取引になじみやすい一方、農産物やエネルギー、一部の金融商品は必ずしもそうではない可能性があると述べた。
米証券取引委員会(SEC)も9月17日、トークン化株式のオンチェーン取引を認める方向で「イノベーション免除」を打ち出した。暗号資産業界全体を対象とする法案審議が上院で遅れる中、CFTCとSECはそれぞれの所管分野で関連施策を進めている。