ベンチャー投資家のティム・ドレイパー氏は21日(現地時間)、AppleやMetaなどの大手企業が準備資産の一部としてBitcoinを保有していないのは「無責任だ」と批判した。ブロックチェーン専門メディアのU.Todayが報じた。
企業によるBitcoin保有は一時、市場の主要テーマとなったが、Strategy社のように財務資産として積極採用する例はある一方、上場大手全体には広がっていない。
Metaでは2025年5月、Bitcoinの組み入れ可能性の検討を求める株主提案が出されたが、取締役会は反対を勧告した。報道によると、SalesforceやMcDonald'sも同様の判断を示している。
ドレイパー氏は、Bitcoinを既存金融に代わるインフラとして位置付けている。ブロックチェーンとスマートコントラクトによって、会計や経理、決済仲介といった領域の中間コストを削減できるとの考えだ。
移行期には大きな価格変動を伴うとしながらも、最終的には人々がドルよりBitcoinを使うようになるとの見方も示した。
また、足元の政府支出の拡大は、長期的にハイパーインフレや一段の金利上昇につながりかねないと警告した。そうした局面では既存の金融システムに大きなひずみが生じる可能性があり、Bitcoinはそのヘッジになり得ると主張している。
こうした認識を踏まえ、同氏は大手テック企業がBitcoinを準備資産として採用しない判断を改めて批判した。
さらに、AIもBitcoinの普及を加速させる要因になるとみている。AIがBitcoinネットワークを基盤とするソフトウェアやサービスの開発を後押しし、導入拡大につながるという。
この見方は、Bitcoinを単なる決済手段や価値保存手段ではなく、デジタル金融インフラとして捉える同氏の従来の主張に沿うものだ。
ドレイパー氏は今年初め、量子コンピューターはBitcoinより先に銀行を脅かすとの見解も示していた。その際には、保有するBitcoinは銀行に預けたドルより安全だとも述べている。
また、仮にブロックチェーンのセキュリティを巡って極端な事態が起きたとしても、Bitcoinネットワークの参加者が安全性の確保やソフトウェアの変更を軸に対応できるとの見方も示した。
もっとも、市場が同氏の強気見通しをそのまま織り込んでいるわけではない。ドレイパー氏が繰り返し示してきたBitcoinの目標価格25万ドルは、現時点では実現していない。
今回の発言も、企業の財務戦略を巡る議論を改めて促す材料となりそうだが、大手テック企業が実際に準備資産へBitcoinを組み入れるかどうかは、引き続き各社の判断に委ねられる。