Circleは21日(現地時間)、機関投資家向けにビットコイン担保のUSDC融資サービス「DABB」を開始した。保有するビットコインを売却せず、オンチェーン上でUSDCの流動性を確保できる仕組みを提供する。
Cointelegraphによると、対象はCircle Mintの利用対象となる機関顧客。利用者はビットコインを預け入れ、Circleのラップド・ビットコインであるcirBTCを発行したうえで、それを担保にオンチェーン融資市場からUSDCを借り入れることができる。
対応先としては、Circleのレイヤー1ブロックチェーン「Arc」やEthereum上の融資市場を活用する。まずはMorphoに対応し、今後はAaveなどへ対象を広げる計画だ。
借り入れたUSDCは、顧客のCircle Mint残高に直接反映される。金利や担保要件、清算基準は、利用する外部融資市場ごとに定まる。Circleによれば、融資は超過担保方式で運用され、担保は顧客が管理するウォレットを通じて第三者のDeFiプロトコルに預け入れられる。ニューヨーク地域の顧客は対象外とした。
今回の発表は、Arcのメインネット公開のタイミングに合わせた動きでもある。Arcは、ステーブルコイン決済や金融市場インフラ向けのレイヤー1ブロックチェーンで、USDCをネイティブガストークンとして採用する。BlackRockのBUIDLやCircleのUSYCといったトークン化資産にも対応する。cirBTCも21日からArc上で稼働を開始した。
Circleは6月、Ethereum上でcirBTCを立ち上げていた。cirBTCは、Circle National Trustが保管するビットコインによって1対1で裏付けられる。今回のDABBは、このcirBTCを機関投資家向けのオンチェーン担保資産として活用する位置付けとなる。
機関投資家向けの暗号資産担保融資は、足元で広がりつつある。2月にはAnchorage DigitalがKaminoと提携し、Anchorage Digital Bankに保管されたステーキング済みのSolanaを担保に、オンチェーン流動性を調達できるサービスを発表した。適格カストディ先に資産を保管したまま活用できる点を特徴としている。
3月にはLombardとBitwiseが、カストディ中のビットコインを担保に借り入れできる仕組みの開発を始めた。融資インフラはMorphoが担う。ビットコインをcirBTCへ転換して担保化するCircleと異なり、ラップや他チェーンへの移動を伴わず、カストディ状態を維持したまま活用する方式だ。
BitGoも3月、機関投資家向けレンディング事業を拡大した。流動資産、ステーキング資産、ロックアップ資産を担保に借入・貸出を可能にする金融プラットフォームを投入し、複数資産を1つのポートフォリオとして束ねて担保活用できる設計を打ち出した。
Circleの狙いは、機関投資家がビットコインを手放さずにUSDCの流動性を確保できる環境を整えることにある。cirBTCとArcを軸に、ステーブルコインとトークン化資産をつなぐ自社インフラの拡張を進める構えだ。