ビットコインと量子コンピュータ(写真=Reve AI)

VanEckは、量子コンピュータが将来的にビットコインの暗号基盤を脅かす可能性があるとしつつ、コミュニティではすでに技術的な対策の検討が進んでいるとの見方を示した。分散型ネットワークである以上、意思決定には時間がかかる可能性があるものの、耐量子化に向けた道筋はあるとしている。

ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineが18日(現地時間)に報じたところによると、VanEckでデジタル資産リサーチ責任者を務めるマシュー・シーゲル氏はCNBCのインタビューで、ビットコインは分散型の構造上、対応が遅れる可能性がある一方、量子コンピュータの脅威を見据えた技術的な解決策が議論されていると述べた。

シーゲル氏は、量子コンピュータがビットコインにとってリスク要因になり得ることを認めた上で、コミュニティはすでに問題の重要性を認識しており、システム更新に向けた動きも出始めていると強調した。

暗号資産業界が警戒するのは、将来、量子コンピュータの性能が大幅に向上した場合、ビットコインの暗号体系が破られる可能性がある点だ。もっとも、現時点でビットコインの暗号を破れる水準の量子コンピュータは存在しないという。

こうした中、ビットコイン開発者らを含む一部の関係者は、耐量子署名の実証をサイドチェーン上で進めている。暗号資産交換業者のCoinbaseや、ビットコイン関連インフラを手がけるBlockstreamも、関連技術の開発を進めている。

業界横断の取り組みも始まっている。BlackRock、Fidelity Digital Assets、Blockなどが参加するビットコイン・セキュリティ・コンソーシアムは7月に発足した。同コンソーシアムは、オープンソース開発への資金支援やエンジニアの投入を通じて、BIP-360などの提案を後押ししている。

BIP-360は、量子コンピュータに長期的にさらされるリスクを抑えるため、新たなトランザクション出力タイプの導入を盛り込んだ提案だ。

シーゲル氏は、ビットコインの意思決定の仕組み自体が、対応のスピードを鈍らせる要因だとも指摘した。「開発者に指示を出すCEOは存在しない。ガバナンスのプロセスは複雑だが、耐量子化に向けた技術的な道筋はある」と述べ、今後数年でこうした取り組みはさらに増えるとの見通しを示した。

ビットコインネットワークは中央集権的な組織を持たずに運営されている。このため、耐量子化への移行では技術的な課題に加え、コミュニティ内の合意形成が大きな焦点になりそうだ。開発者による実験、交換業者の対応、コンソーシアムによるオープンソース支援が並行して進む中、ビットコインの長期的なセキュリティ基盤がどう変わるのかが注目される。

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