Salesforceは9月15日、営業、カスタマーサポート、社内業務向けの新たなAIエージェント群を発表した。B2B営業における見込み客の開拓から提案書作成、商品の返品対応、社内ヘルプデスク業務までの自動化を狙う。あわせて、自動化ツール「Agentforce Coworker」も更新し、複数のAIエージェントを連携させる機能を強化した。
SiliconANGLEによると、今回発表したエージェント群は、Salesforceの複数のクラウドサービスに組み込まれたAgentforce Coworkerの更新とあわせて投入された。
営業分野では、「Hunter」がB2B営業担当者による見込み客の発掘や営業メールの作成を支援する。Salesforceによれば、商談プロセスの一部も自動化し、プレゼン準備や提案書作成にも対応するという。
B2B取引は成約までに時間を要するケースが多い。Hunterは「Long Horizon Runtime」を基盤としており、こうした長期案件にも対応できるとしている。
Long Horizon Runtimeは、エージェントが長期にわたる業務を前提に計画を立て、複数の対話セッションをまたいでデータを引き継げるようにする仕組みだ。現時点ではHunterのみに適用しており、Salesforceは今後、ほかのエージェントにも段階的に展開する方針を示した。
Hunterに加え、営業向けエージェントとして「Piper」と「Carter」も公開した。企業はこれらのエージェントを自社Webサイトに組み込める。
PiperはB2Bの見込み客への初期対応を担い、適切な営業担当者へ引き継ぐ。Carterはオンラインショップでの商品に関する問い合わせ対応を支援し、チャット上で決済できるウィジェットも備える。
カスタマーサポート向けには、「Casey」と「Finn」の2種類の新エージェントも発表した。Caseyは商品の返品依頼の処理を自動化する。
Finnについては、Salesforceが今年36億ドルで買収したFinnの技術をベースにしており、同様の業務に活用できるとしている。
社内ヘルプデスク向けの自動化ツールも投入した。「Page」は人事関連の問い合わせやITサポートの依頼に対応し、「Marshall」はサプライチェーン部門の反復業務を自動化する。
企業はプログラミング言語「Agent Script」を通じて、各エージェントをカスタマイズできる。開発者はAgent Scriptを使って、重要業務をあらかじめ定めた手順で実行するよう指定でき、ハルシネーションのリスク低減につなげられるという。
更新したAgentforce Coworkerでは、企業ユーザーが顧客記録などの業務データを活用しながら、社内の他ユーザーが作成したエージェントも管理できるようにした。
今回の更新の柱となるのが、「マルチエージェント・オーケストレーション」機能だ。複雑なタスクを複数の専門エージェントに振り分け、連携して実行できるようにする。
このほか「AIスキル」機能も追加した。ユーザーはこれにより、Coworkerの動作や作業手順をより簡単にカスタマイズできるとしている。