AI需要の拡大でメモリ需給が逼迫し、中古スマートフォンや故障端末の部品価値が見直されている。写真=Shutterstock

AI需要の拡大を背景にメモリの需給が逼迫し、中古スマートフォン市場で端末価格が上昇している。これまで引き出しに眠っていた故障端末も、部品取りの対象として値が付くケースが増えてきた。

TechRadarが13日(現地時間)に報じたところによると、修理・再生市場では、従来はほぼ廃棄扱いだった低グレード端末や部品の確保競争が強まっている。

企業間の中古スマートフォン取引プラットフォームB-Stockの集計では、2026年第2四半期のAppleおよびSamsung Electronics端末の価格はいずれも直前2四半期を上回った。

取引構成にも変化がみられる。前年は状態が最も悪いDグレード端末が販売の大半を占めていたが、2026年上半期はCグレードが37.8%となり、Dグレードの31.6%を上回った。

スマートフォンの長期利用が進み、年数を経た端末が低グレード品として中古市場に流入する量が増えた可能性がある。

個別モデルも上昇基調にある。AppleではiPhone 17 Pro Maxの2026年第2四半期における全コンディション平均価格が940ドルとなり、最も高かった。

Samsung ElectronicsではGalaxy S23 Ultra、Galaxy S22 Ultra、Galaxy S24 Ultraの取引が活発だった。Galaxy S22 UltraはGalaxy Z Fold5を上回り、取引数量で2位となった。

Galaxy S26の発売後も、旧世代のSamsung Electronics製フラッグシップ端末の価格は上昇した。状態の良いGalaxy S23 Ultraは6月に425ドルまで上がり、年初来の高値を付けた。

もっとも、メーカーが故障スマートフォンからメモリを取り外し、新製品に恒常的に再利用する段階にはまだ至っていない。試験や互換性確認、信頼性検証の工程が複雑なためだ。

ただ、メモリ価格の上昇を受け、これまでは人件費を考慮すると回収妙味の乏しかった部品にも、採算が見込めるようになってきた。

回収対象として価値があるのはメモリに限らない。ディスプレー、カメラモジュール、バッテリー、充電ポート、筐体、スピーカー、ケーブル、基板なども、端末本体が修理不能でも価値を保つ場合がある。

最下位グレードのスマートフォンでも、内部部品の状態まで一律に悪いとは限らない。4年以上使用した端末でも、バッテリー性能の検査基準を満たさなかっただけで最下位グレードに分類されるケースがある。

ただ、こうした動きを環境意識の高まりだけで説明するのは難しい。消費者が必ずしも環境配慮を目的に再利用しているわけではなく、流通事業者も部品供給を確保するため下取り条件を強化している。

この変化が電子廃棄物の実質的な削減につながるのか、それとも電子廃棄物がより収益性の高い流通経路へ移るだけなのかは、なお見極めが必要だ。

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