暗号資産市場の評論家ラク・デイビス氏が、Cardano(ADA)のネットワーク利用低迷を厳しく批判し、Solana(SOL)との格差を指摘した。取引件数やDeFi関連指標で差が大きいとした一方、Cardano陣営は、ガバナンスとインフラ整備を優先してきた結果だと説明している。
ブロックチェーンメディア「Decrypto」が11日(現地時間)に報じた。デイビス氏は、Cardanoについて、ローンチから8年が経過したにもかかわらず、稼働年数に見合う利用水準に達していないと主張した。
発端となったのは、CardanoのSPO(ステークプール運営者)であるセセビ氏の発言だ。同氏は、Cardano創業者チャールズ・ホスキンソン氏と、プロジェクトの長期ビジョンへの信頼を示した。
これに対しデイビス氏は、その評価が現在のネットワーク利用実態に裏付けられているのかと疑問を呈した。Cardanoを「ゴーストタウン」と呼び、オンチェーン指標はなお弱いままだと指摘した。
さらに、技術開発やアップグレードが実際の利用拡大につながっているのかも問題視した。8年あれば、より強いユーザー活動を示すには十分な時間だったとの見方を示している。
特に、Cardanoが利用面でなぜSolana並みの水準に到達できていないのかを問い、両エコシステムの普及度とネットワーク活動には大きな開きがあるとした。
ネットワーク指標でも差は鮮明だ。Chainspectのデータによると、2020年3月にローンチしたSolanaの累計取引件数は1260億件超。一方、CardanoはSolanaより3年早くローンチしたものの、累計取引件数は約1億2400万件にとどまっている。
DeFi関連指標でもSolanaが大きく上回る。Solanaの総預かり資産(TVL)は58億ドル、過去24時間の分散型取引所(DEX)取引高は29億ドル。これに対しCardanoのTVLは約5983万ドル、DEX取引高は119万ドルだった。
Cardano陣営は、利用拡大の遅れには優先順位の違いがあると説明する。セセビ氏は、Cardanoがガバナンスとインフラ構築を先行させたため、相対的に普及のスピードが鈍かったと述べた。
そのうえで、ネットワークは次の成長段階に必要な基盤をおおむね整えており、現在はAlpha Growth Primeなどの取り組みを通じて、拡張性とDeFi活動の改善に注力しているとした。
ただ、デイビス氏はこうした説明を受け入れていない。技術アップグレードがユーザー増加やネットワーク活動の拡大につながらないのであれば、その意義は限られると主張した。
また、成長期待を維持する投資家に対し、「さらに8年」を待つ意思があるのかとも問いかけた。
CardanoとSolanaはこれまでもたびたび比較されてきたが、両者の開発思想は異なる。Cardanoは学術研究と定型化された開発プロセスを重視し、慎重なアプローチを採ってきた。一方のSolanaは、高性能と処理速度、エコシステムの迅速な拡大に軸足を置いてきた。
今回の応酬は、こうした思想の違いにとどまらず、長期的な開発戦略が実際のユーザー獲得や経済活動に結び付いているのかという論点を改めて浮き彫りにした。