Skyの成長見通しでは、USDSの供給拡大とエージェント運用の拡大が焦点となっている。写真=Shutterstock

Standard Charteredは、Skyのガバナンストークン「SKY」が2028年末までに0.325ドルに達するとの見通しを示した。足元の水準からみて約5倍の上昇を見込む。背景には、ステーブルコイン「USDS」の供給拡大と、エージェントを通じた運用の拡大があるとしている。

この見通しは、Standard Charteredでデジタル資産リサーチを統括するジェフ・ケンドリック氏のノートに盛り込まれた。The Defiantが11日に報じた。

ノートでは、SKYの基準価格を0.065ドルとし、2026年に0.080ドル、2027年に0.180ドル、2028年に0.325ドルへ上昇すると予測した。CoinGeckoによると、SKYは11日時点で0.06ドルで取引され、24時間では2.4%上昇、過去30日では11%上昇した。時価総額は14億ドルだった。

Standard Charteredは、Skyエコシステムの拡大とUSDSの発行残高の増加を強気見通しの主因に挙げた。ケンドリック氏は、SKY保有者に帰属する価値が2028年末までに足元の5倍へ拡大すると推計しており、他の条件が変わらなければ、SKY価格も同程度上昇し得るとの見方を示した。

ノートは、Skyについてステーブルコインを発行し、借り手からの利息収入を得る仕組みを持つと説明。エコシステム全体は銀行に近い収益構造を備えると位置付けた。収益源としては、エージェント経由の借り入れから得る純金利収益、USDCベースのペッグ安定化モジュール収益、暗号資産担保ボルトを挙げている。

成長ドライバーの中心に据えたのがエージェントモデルだ。ノートでは、エージェントをオンチェーンのファンドマネジャーのように機能する分散型の資本配分主体と説明した。USDSを借り入れ、複数の収益戦略に資金を振り向けながら利回りを競う仕組みで、ケンドリック氏はこれを「実質的にエコシステムの成長を外部化するモデル」と評価した。

借り入れ規模も急拡大している。エージェントモデルが2024年9月に導入されて以降、累計借入額は59億ドルに達したという。Skyの6月の財務アップデートでは、プライム・エージェントの総執行額が55億ドルを超えた。配分額はJanus Hendersonが12億4000万ドル、BlackRockのBUIDLが7億1300万ドル、Anchorageが2億6000万ドルだった。

収益性を左右する最大の変数として挙げたのは、USDSの流通量だ。ノートは「時間の経過とともに利益を拡大する鍵は、USDSの発行残高の増加にある」と指摘した。イーサリアム上のUSDS総供給量は66億2000万枚。Skyは6月のUSDS供給量を100億4000万ドル、5月を111億4000万ドルと集計した。さらに2025年第4四半期のアップデートでは、2026年のUSDS供給量が206億ドルとなり、前年比124%増になると予想している。

一方、リスク要因としては、利回り型ステーブルコインの成長が想定より鈍化する可能性を挙げた。DeFiLlama基準の足元のUSDS残高は66億6000万ドルで、Tetherの1833億8000万ドル、CircleのUSDCの743億8000万ドルに次ぐ3位。SkyはDAIも47億9000万ドル規模で発行している。ノートではSkyを、世界3位のステーブルコイン発行体であると同時に、最大の利回り型ステーブルコイン発行体と位置付けた。

SKY保有者への還元は、ステーキング報酬とトークン買い戻しで行われる。DeFiLlamaによると、Skyは過去30日で手数料2720万ドル、売上高1345万ドルを計上し、このうち336万ドルが保有者に還元された。総預かり資産(TVL)は55億8000万ドル。2025年2月に買い戻しプログラムを開始して以降の累計執行額は1億2000万ドルで、直近30日では1860万SKYを買い入れた。6月のアップデートでは、第2四半期の総プロトコル売上高が1億735万ドル、純売上高が4009万ドルだったことも明らかにしている。

今後12カ月についても、ケンドリック氏は強気姿勢を崩していない。ノートでは、SKY保有者への価値還元が今後12カ月で少なくとも2倍になるとの見方を示し、2028年末にかけてSKY価格が5倍上昇するシナリオを描いた。ただしStandard Charteredは、このノートが特定顧客に対する投資勧誘や推奨を目的としたものではないと明記している。

Skyは2024年にMakerDAOから現在のブランドへ刷新した。今回の見通しは、Standard Charteredがこれまで示してきた暗号資産の長期予測の流れに沿うものだ。ケンドリック氏は同じノートで、イーサリアムの2028年末目標を1万8000ドル、ビットコインを30万ドルとした。

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