米暗号資産市場構造法案「Clarity法案」を巡り、上院本会議入りへの期待が再び高まっている。Galaxy Digitalのマイケル・ノボグラッツCEOは13日、同法案について「なお生きている」と述べ、15日に予定される上院の手続き採決が今後の行方を左右するとの見方を示した。
暗号資産メディアのU.Todayによると、ノボグラッツ氏はX(旧Twitter)への投稿で、週末を通じて交渉が続いたと説明した。そのうえで、自身の見立てとして法案が上院本会議に進む可能性があるとした。
最大の焦点は、法案に盛り込まれた政府倫理規定だ。ノボグラッツ氏は、残る主要な障害の一つがこの倫理規定にあると指摘し、法案成立の可否はホワイトハウスがこの問題で動くかどうかにかかっていると述べた。
今回の発言は、15日に予定される上院の重要な手続き採決を前に飛び出した。この採決は法案の最終可決を意味するものではないが、可決されれば上院本会議での審議や追加修正に進む可能性がある。中間選挙を控え、立法日程に余裕がないなかで、政治的な意味合いも大きい。
Clarity法案は5月、上院銀行委員会で超党派の賛成15、反対9で可決された。7月には、上院銀行委員会と農業委員会の内容を反映した改定案が公表された。さらに15日の採決を前に、11日には新たな修正案も示された。約630ページに及ぶ修正案には、分散型金融(DeFi)やその他の争点に関する変更が盛り込まれた。
もっとも、主要な対立点がすべて解消されたわけではない。政府倫理規定以外にも争点は残っており、仮に手続き採決を通過しても、その後の審議で調整が続く可能性がある。
ホワイトハウスのデジタル資産諮問委員会で事務局長を務めるパトリック・ウィット氏も、こうした楽観論を後押しした。ウィット氏は12日、Xで「Clarity法案に悲観的になる日ではない」と投稿した。政権と議会の間で交渉がなお続いているとの受け止めが広がっている。
一方で、法案が頓挫した場合の影響を警告する声もある。米国の暗号資産市場構造を巡る立法設計に関わってきたシンシア・ルミス上院議員は、民主党側の100件超の修正要求はすでに反映したと主張。そのうえで、Clarity法案が失敗すれば、その責任は民主党側にあるとの認識を示した。
ルミス氏は、法案が成立しなければ、暗号資産利用者は包括的な連邦レベルの保護措置や開示基準を得られないと警告した。また、市場構造ルールを改めて立法できる現実的な機会は2030年まで訪れない可能性があるとも述べた。
15日の手続き採決は、米国の暗号資産市場ルールを巡る議論の分岐点となる見通しだ。関門を突破すれば上院本会議での議論が本格化する一方、否決されれば市場構造法制のスケジュールは再び長期化する可能性が高い。