英国の右派政党Reform UKが、暗号資産業界の実業家2人から計7200万ポンド(約144億円)の政治献金を受けた。英国の政党史上でも前例のない規模とされ、巨額献金が政治に及ぼす影響を巡る議論が強まっている。
CointelegraphやReutersが12日付で報じたところによると、BitMEX共同創業者のベン・デロ氏は、ナイジェル・ファラージ氏が率いるReform UKに3600万ポンド(約72億円)を寄付した。デロ氏はその理由について、「労働党、保守党とReform UKが選挙で対等に戦えるようにするため」と説明した。
この金額は、2029年の総選挙まで毎月100万ポンド(約2億円)を投じても賄える規模に当たるという。
翌13日には、暗号資産投資家のクリストファー・ハーボーン氏も、デロ氏と同額の3600万ポンドを寄付すると発表した。これにより、2人による献金総額は7200万ポンドに達した。
ハーボーン氏は昨年8月にも900万ポンド(約18億円)を含め、Reform UKに累計1500万ポンド(約33億円)を寄付している。
今回の巨額献金は、Reform UKを巡る政治資金問題にも改めて注目を集めている。ファラージ氏は、ハーボーン氏から受け取った500万ポンド(約10億円)相当の個人への贈与を申告しなかったとして、議会の調査を受けている。Reform UKの海外資金調達疑惑についても、警察が捜査を進めているとされる。
ファラージ氏は7月に議員を辞職し、補欠選挙が実施されたが、8月のクラクトン選挙では63.3%を得票して再選された。風刺候補のカウント・ビンフェイス氏は26.9%で2位だった。
英国政府も政治資金規制の強化を進めている。海外在住の有権者からの寄付に年間10万ポンド(約2000万円)の上限を設けるほか、暗号資産による政治献金については、規制の枠組みが整うまで禁止する案を打ち出している。
もっとも、今回のデロ氏とハーボーン氏の献金が、暗号資産そのもので支払われたと確認されたわけではない。
デロ氏は2022年、BitMEXで銀行秘密法に基づくマネーロンダリング対策を整備しなかった罪を認め、1000万ドル(約15億円)の罰金支払いで決着した。実刑は免れ、昨年3月にはアーサー・ヘイズ氏、サミュエル・リード氏とともに、ドナルド・トランプ米大統領の恩赦を受けた。